商品詳細：これは商用録音ではないプライベート録音で、価格を付けてレコード店で販売したものではない。1960年代初期にétudes et réalisations de piscines:"スイミングプールの研究"という名前の非営利団体が無料または有料で配布したPR用のレコードである。日本風に言えば「全仏プール協会」というような意味。そのため水に因んだ曲ばかり収録されている。片面はエウィットによるヘンデル「水上の音楽」抜粋でLes Discophiles Français音源から持ってきた可能性が高い(不明)。注目は片面のバレンツェンによるリストとドビュッシーである。特にリストの「エステ荘の噴水」は一度聴いたら最後、頭から離れなくなる圧巻の演奏。プライベートといっても仏パテ音源なので音質も素晴らしい。モノラルのオーディオファイルである。「エステ荘の噴水」は前4集からなる巡礼の年の第3年に収められた4番目の曲。エステ荘とはイタリアのローマ近郊ティヴォリにある富豪エステ家による別邸である。2001年ユネスコの世界遺産登録物件名。4.5haという広大な敷地の庭園内には、オルガンの噴水、エフェソスのアルテミス(多産の女神)、百噴水などの様々なモチーフで作られたギリシャ・ローマ時代の噴水が500ほど築かれている。後期ルネッサンス期の代表的な庭園であり、イタリア一美しい噴水庭園として称えられ、現在に伝わっている。リストはここを訪れ、この庭園をモチーフに3曲を創作した。中でも「エステ荘の噴水」は壮麗に吹き上げる噴水を表題とした曲として知られ、腕に自信のあるピアニストの曲として単独で演奏されることが多い。シフラなどもリサイタル盤に録音している。高額ではあるが充分に価値のある演奏・録音である。全てのピアノレコードのトップ5に間違いなく入る1枚と信じる。10"より明らかに早い時期のプレスで音質も圧倒的に良い。生きているうちに再度出会える保障のない極めて珍しい、LPとしての販売目的ではなかった録音でPathé社が保有する音源でプロモーション用に有料で貸し出された音源と思われる。10"のフランスガスとフランス電力共同制作のPR用プロモーションと全仏プール協会?の2種以外に存在するか不明。あらゆるピアノLPの中で非常に特別で尊敬の念をもって接するべき神品!

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