[His Master's Voice] A.ボールト指揮ロンドンpo./ベートーヴェン:交響曲6番「田園」
商品コード: 1129-029
商品詳細:サー・エイドリアン・ボールト(1889 - 1983)はSP期から活躍した英国の古参指揮者だったが若手の台頭により一時期顧みられなくなる時期があった。しかし1970年代に入り80歳を過ぎてから再び活躍を開始した指揮者である。ホルストの『惑星』は5回も録音したことで英国作品のスペシャリストと目されていたが、晩年にはブラームスの交響曲全集やバッハ:ブランデンブルク協奏曲の録音などで再び注目を集めた。このベートーヴェンも1977年の録音で英国楽壇を一世風靡したクレンペラーやビーチャムが引退した後の録音。今までの派手で重厚な演奏は一段落したのかボールトの持ち味である飾り気のない素朴な語り口が市民権を持つことになろうとは誰が想像しただろう。過去のスター指揮者たちのスケールの大きな悪く言えば大袈裟な演奏に慣れた耳にボールトの演奏は田舎のおじさんのように聴こえても無理はない。しかしこれを二度、三度と繰り返すうちにどこかほっこりした豊かな気分になってくることに気が付く。ボールトの音楽は饒舌では決してない。一度聴いて大きな感動をもたらす演奏ではない。外観を飾らないものはそういうところがある。しかしだんだんその弱さがもたらす含蓄がわかってくると実はこのような演奏の方が人には合っているのではないかと思うようになる。ブラームスは大変シンプルでそっけないところもあったがこの田園交響曲はボールトの中でもかなり気張った演奏ではないだろうか?知らずにいつしか引き込まれていく力を持っている演奏である。今までボールトを特別素晴らしいと感じたことは殆どなかったが、田園交響曲は考えを新たにさせてくれる演奏であった。特に推薦したい。
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