[FINNADAR] I.ビレット(pf) / ラヴェル:グロテスクなセレナーデ, 夜のガスパール, ストラヴィンスキー:ペトルーシュカからの3楽章(全3曲), 5本の指で(全8曲), 子供たちのワルツ
商品コード: 1204-049p
商品詳細:女性ピアニスト、イディル・ビレット( 1941-)はトルコ・アンカラ生まれ。フランス人ではないのでビレットと発音する。トルコ議会の特別法のお蔭で幼くしてパリに留学し、パリ音楽院に入学。ミトハト・フェンメンに5歳で入門してピアノを始める。ナディア・ブーランジェらの指導を受ける一方、マドレーヌ・ド・ヴァルマレットにも学ぶ。15歳の時、3つの部門で受賞して卒業すると、コルトーやヴィルヘルム・ケンプに師事し、更に研鑚を積んだ。1950年代よりVÉGAと契約、モノラル期から録音を開始、2000年代に入るとCDレーベルのナクソスに盛んに録音をしている。ビレットのレパートリーはかなり幅広く、バッハから現代音楽にまで跨っている。これは1975年頃のVÉGAと契約が切れた後の米国録音と思われる。まだ20歳前後でデビューした頃と比べると当時とは隔絶の感がある。堂々たるピアニストに成長している。トルコ人ピアニストと言えば米国生まれのR.テュレックを思い出す。トルコのような欧州とアジアの境の辺境にも才能はひょっこり出現する。その才能を育て完成させるメソッドを最初に打ち立てたのがパリ音楽院だろう。A.コルトー、N.ブーランジェ、M.ロンは、自身の演奏だけでなく後進を育て自身のピアニズムを繋げている。曲はA面がラヴェルで先頭の「グロテスクなセレナーデ」は1975年に出版された曲ですぐに複数のピニストがこぞって録音している。3分程度の短い曲だがビレットまでやっていたとは驚きである。B面がストラヴィンスキー作品3曲。中でも難曲として知られる「ペトルーシュカからの3楽章」の選曲は意外である。腕に自信のあるピアニストが好んで演奏する「ペトルーシュカからの3楽章」の3曲目は弾いた人の分だけバリエーションがある曲。ビレットの場合はロシアン・スクールタイプとは異なり、遅めのテンポで丁寧に弾いている。技巧はできるだけ全面に出していない。そして色彩豊かに彩られた印象で独自色が強い。フレンチ・ピアニズムの若き正当な継承者と言える。FINNADARにはベルリオース:幻想交響曲Op.14の(リスト編)のピアノ独奏録音がある・SR 9023。
ビレットの在庫一覧へ
