[PHILIPS] A.グリュミオー(vn) C.アラウ(pf) / ベートーヴェン:Vnソナタ5番Op.24「春」, Vnソナタ1番Op.12-1
商品コード: 1217-046
商品詳細:グリュミオーのベートーヴェンVnソナタといえばハスキルとのモノラル全録音がまりに有名だが、アラウとも組んで再録音している。ハスキルとの演奏があまりに強烈でしばらくの間は聴いてみる気にもならなかったが、いかなる名人といえども歳月の経過と共に変わりゆく。どう変わっていくかが問題で、そこでその演奏家の価値が決まると言ってもいい。40代のグリュミオーの演奏は、あの溌剌とした若鮎が、湖の主のように貫禄と味わいを身に付けて、まだ力強く泳ぐ様を見せてくれるのが嬉しい。古い録音ではないが、オランダ/フランスともに入荷の少ない希少盤。尚グリュミオーとアラウという共演はベートーヴェンのソナタ集のみとなる。アラウとは全曲録音ではなく3枚のLPに1・2・4・5・7・8番の6曲が全ての録音で3・6・9・10番の4曲は未録音。グリュミオーの健康上の問題で全曲に至らなかったという話があるが真偽は不明。6曲とも1975年3月~5月アムステルダムでの録音。アラウの室内楽の録音はほとんどないので貴重とも言える。グリュミオーとアラウの音楽性は相当異なるはずだが結果はなんだか大人の雰囲気が漂う穏やかでアンニュイな印象を受ける。アラウの良い意味でリズム感の鈍さをグリュミオーが上手く合わせて旧録音の若さがはじける演奏とは全く異なる。グリュミオーは自分のペ―スで進められないようだが、上手くコントロールしてるところが違った愉しみを生んでいる。グリュミオーの美音は健在で更にツヤの乗った美しい音である。ピアニストの違いと時間の違いでここまで違いが出るのが面白さといえるだろう。ハスキル盤よりこちらの方が入手が困難である。
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