[SUPRAPHON] スメタナQt. / ヤナーチェク:弦楽四重奏曲1番「クロイツェル・ソナタ」, 弦楽四重奏曲2番「内緒の手紙」
商品コード: 1223-054
商品詳細:1976年プラハでの3回目録音。1960年以前にモノラルで、'60年代EMI系にモノ/ステレオ録音がある。また、この後1979年のライブ録音もあるようだ。3回目はVaのシュカンパが楽譜を一から見直し校正したものを用いた。同じ曲を複数回録音すれば曲への理解は深まる。音質の点で時代とともに変化してゆく、別の付加価値が付いていくのが複数録音のメリット。'50年代的な雰囲気こそ少ないが、練りに練られた演奏には彼らの歴史さえ感じられる。これも日本コロムビアとの共同制作で昭和51年度文化庁芸術祭参加の European Recording Series – 16としてDenon: OX-7066-NDでデジタル発売された。SUPRAPHON側は日本コロムビア側が現地に持ち込んだPCMデジタル録音機材によって録音されたマスターから独自にカットしたSUPRAPHONマスターを使ってプレスした通常ステレオである。この録音の前年、1975年から始まったこの共同制作も1年を超え、かなり安定期を迎えたようである。試聴したところ、1975年のSUPRAPHON盤が大きくPCM録音の影響を受けてハイ上がりの軽い音質になり大きな変化を見せたのに対し、この録音では共同制作以前のSUPRAPHON録音が良い意味でクリアーな音質になった程度の変化しか感じない。SUPRAPHON側もDenon盤と同じくする必要はないと悟ったのだろう、大きく学習したと感じられる。SUPRAPHONにはSUPRAPHONの方向性があり、それは重要である。当盤の音質は両者のいいとこ取りで良い音質である。録音はスーク・トリオなどを録音した郊外では無く、プラハ市内のジスコフ・スタジオで録音された。スメタナQt.のヤナーチェクはLPV 298(1955年)→ASDF 887(1965年)→当盤(1976年)→?(1979)。と計4回も録音していてこれが3回目となった。チェコの団体にとってヤナーチェク作品は永遠のテーマなのだろう。楽譜を校正したVaのシュカンパによれば、ヤナーチェクは人間の宿命と葛藤を描いた悲劇作家であったという。ヤナーチェクの「私小説」ともいえる自由奔放な魂の軌跡を、変幻自在の表情と緻密なアンサンブルにより表現したとしている。
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