[MELODIYA] N.スーク(pf) / リスト:巡礼の年 第2年「イタリア」~ダンテを読んで-ソナタ風幻想曲, ハンガリー狂詩曲11番 イ短調, バルトーク:3つのブルレスケOp.8c~2番, 戸外にて(全5曲)
商品コード: 1223-020p
商品詳細:ニイコライ・スークは1945年ウクライナ生まれという若手。スークの師はウラセンコで大所帯のフリエール門下生である。このスクールのトップはイグムノフであり、スークもイグムノフ一派である。しかしイグムノフは1948年に亡くなっており、スークにとっては殆ど伝説に近い人物だろう。フリエールの弟子にはカミショフ、フェルツマン、エレシコなどの超絶技巧派と言われる凄い連中がひしめき合っている。その競争の激しさはスクール中、最も過酷と思われる。尚、フリエールの弟子の中でスークを含め4人の弟子を抱えるのはウラセンコただ一人で、ケレルが二人の弟子を抱える他はそれぞれ演奏家として独り立ちしている。スークに関しては佐藤泰一氏は僅かに触れているだけで実態は殆ど謎である。少ない記述の中でブラームスの間奏曲集について触れており、ブラームスがスークの代表作であることは間違いない。スークは全3枚のLPを録音している(2019年時点)。このリスト/バルトークが最初の録音。敢えて難曲をチョイスしたようだ。このLPではスークの並外れた技巧が強調された部分を感じるがそれより彼独特のリズム感や表情に今までのリスト演奏とは異なるところを感じる。バルトークにおいても難曲過ぎて通常ならば手を出さない作品である。敢えてその難曲をほとんど煌びやかといってよいレベルでサラリと弾いてしまう腕前は只者でない。弾き切る能力だけでなく魔法のようにわかりやすく示すレベルにまで到達する手法を持っている。こんな無名のピアニストが大勢いる部屋が実在していた。ロシアピアニズムは知れば知るほど謎と興味が深まり、ある意味恐ろしいところがある。競争が激しいからこそ、それぞれが生き残るために個性に磨きをかける。だがら誰も成し得なかった新しい世界が生まれる。ロシアピアニズムはそんな実験場のようなところなのだろう。スタイルは異なるがニイコライ・スークもまた注目すべきロシアピアニズムの申し子である。
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