[MELODIYA] R.ケレル(pf) / ベートーヴェン:Pfソナタ8番Op.13「悲愴」, Pfソナタ14番Op.27-2「月光」
商品コード: 1223-009p
商品詳細:ルドルフ・ケレル(1923年グルジア・トビリシの生まれ)。フリエール門下生の最古参でイグムノフ一派である。LPで19枚もの数を出したピアニストは多くない。この人は戦争で大切な時期を無駄にされた悲運のピアニスト。実力はLPの数が物語る。ショパンの前奏曲集などが有名。協奏曲も多い。しかし人気の点で比例しないのは何故だろう。宣伝なのでは?グルジアで1、2位を争う大物に間違いは無い。人気とは所詮その程度なのだろう。スケールと繊細さを兼ね備えた逸材。ケレルはMELODIYAに19点ものLP録音を残した重要なピアニストである。共産主義体制だったソ連時代は録音の数で当局からどのように扱われていたかがわかる。ケレルは当局にとって重鎮クラスのピアニストだった。協奏曲録音が多いこともその証明になる。このベートーヴェンのソナタ集は唯一の録音である。そしてLPとしては最後の録音になった。またベートーヴェンは他に皇帝協奏曲がモノラルで1枚存在する(D 011883)。この2枚がケレルが録音したベートーヴェンの全て。これは他のピアニストに比べ異例の好待遇と言える。マイナー曲を指定されても文句は言えないからだ。日本でケレルは存在すら知られていないが、大部屋で知られるフリエールの教室では最も年長で、フリエールは1912年生まれなので11歳しか年が離れていない。その次が1928年生まれのダヴィトヴィチだった。つまりケレルはフリエールの一番弟子であり側近だったといえる。佐藤氏の著書によればモスクワ音楽院では、いかにベートーヴェンを攻略するかが最大のテーマだったらしい。ケレルもモスクワ音楽院教授となリ、その答えを録音という形で示したのだろう。教授らしく、若手の新人のようなエキセントリックな解釈はしない。正当的に模範的な演奏ではある。しかしどこをとってもそこにはロシアピアニズムの精神が流れていて西側の大物ピアニストとは異なる腕前を披露している。
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