[PHILIPS] L.マゼール指揮ベルリン放送so. / モーツァルト:交響曲40番K.550, 交響曲41番K.551「ジュピター」
商品コード: 1243-025
商品詳細:ロリン・マゼール(1930- 2014)は、フランス・パリ近郊、ヌイイ=シュル=セーヌ生まれの指揮者・ヴァイオリニスト・作曲家。ピッツバーグ大学卒業。生後ほどなくしてアメリカに一家で移住し、5歳の頃からヴァイオリンを、7歳の頃から指揮の勉強を始めた。8歳の時にニューヨーク・フィルハーモニックを指揮して指揮者デビューを飾り、以後9歳でレオポルド・ストコフスキーの招きでフィラデルフィア管弦楽団を指揮、11歳でアルトゥーロ・トスカニーニに認められNBC交響楽団の夏季のコンサートを指揮した。10代半ばまでには全米のほとんどのメジャー・オーケストラの指揮台に上がっている。早熟の天才音楽家であった。DECCA、EMIと順調にメジャーレーベルに録音を残し、1965年にはベルリン・ドイツ・オペラとベルリン放送交響楽団(旧西ベルリン、現在はベルリン・ドイツ交響楽団)の音楽監督に、フェレンツ・フリッチャイの後任として就任。大出世として驚かれ、1958年頃からDGGに招かれ多くの録音を行い、1965年頃からPHILIPSに移籍、PHILIPSにベルリン放送so.との録音をもたらした。1980年からボスコフスキーの後を次いでウィーンフィル・ニューイヤーコンサートの指揮者を務めるなど(1980年から1986年までの毎年・それ以後も度々出演して、生涯登場回数11回は、ボスコフスキー、クラウスに次ぐ史上第3位。レギュラー指揮者としては現在のところ最後)、順調な指揮者人生を極めつつあった。その為カラヤンの後任であるベルリンpo.の時期芸術監督はマゼールだろうと誰もが信じていたが、現実はクラウディオ・アバドに決まった。そのあたりからマゼールの活動に陰りが出る。これは1960年代にベルリン放送so.と録音した多くの録音の一つである。バッハの宗教作品などの大作の録音が始まった時期である。飛ぶ鳥を落とす勢いがあった時期の録音である。フリッチャイが育ててたベルリンpo.で意欲的録音を多く行い、名実ともに大指揮者として階段を上っていた時期のモーツァルト交響曲で最後の2曲。1950年代のような重厚さはないが、軽快で端正に展開する指揮は若きエースに相応しくない落ち着いた演奏で、過度なフォルテを用いず、終始抑えたスタイルである。やや物足りさを感じるが、若さで押し切る演奏ではなく、年配の指揮者のような抑制の効いた演奏にはやや驚いた。良い意味で節度のある大人の演奏と言える。
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