[Le Club Français Du Disque] C.リヒター・シュタイナー(vn) P.ドクトル(va) B.パウムガルトナー指揮モーツァルテウム・カメラータ・アカデミカo. / モーツァルト:協奏交響曲K.364
商品コード: 1249-004
商品詳細:K.364をお好きな方なら御承知の方も多いはず。最もテンポの遅いK.364。それでいて音楽は崩れるどころか堂々と聳え立つ山のように雄大で力強い。パウムガルトナーの挑戦を見たような気がする。この実験的なテンポを録音することのリスクは大きかったはず。だが見事に成功し、度肝を抜かれてしまった。この1回限りで終わってしまったのが、何とも惜しい。名ヴィオラ奏者P.ドクトルの名人技が冴え渡る!超名演。モノラル・10"のみ。ヴァイオリン・ソロはパウムガルトーナー率いるモーツァルテウム・カメラータ・アカデミカo.のコンサート・ミストレルであるクリスタ・リヒター・シュターナー(1899-1962)。1980年頃からモーツァルテウム国立音楽大学では優秀な生徒にクリスタ・リヒター・シュタイナー勲章なるメダルが贈られることになっている。1962年に63歳で亡くなった大ベテランであり、モーツァルテウム国立音楽大学創設期からの教授であったと思われる。ヴィオラのパウル・ドクトル( 1919- 1989)の方が知名度が高いが彼より20歳も年配の音楽家であり、演奏家としてより、教育者としての実績のある人物。だからこそこのような前代未聞の演奏をやってのけたのだろう。このテンポはパウムガルトーナーの意向かシュタイナーなのかは不明だが、これを聴いた誰もが感心する演奏ではないだろうか。今もってこれより遅く、それも芸術性の高い演奏があるとは到底思えない。また真似しようにも彼等レベルの実力者が協力してこそ初めて可能なものである。誰一人欠けても音楽はいともたやすく瓦解してしまう危うさを抱え込んだテンポなのである。そこから見えてくるK.364なる曲の可能性、深さを思い知らされる演奏である!パウムガルトナーは1956年頃にもPHILIPSのモーツァルト・ジュビリー・シリーズにナップ・デ・クリン/パウル・ゴドウィンらとA 00299 Lで再録音している。この録音は更に知られていない隠れた名盤である!このような録音が10"だがらという理由で軽んじられることがあってはならない。
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