[BAM 他] P.バルビゼ(pf) A.クリュイタンス指揮フランス国立放送o. 他 / コレクターズ・シリーズ・「ピエール・バルビゼ」全4点4枚バラセット
商品コード: 1252-045p
商品詳細:あるフランス人コレクターが個人として40年に渡って収集した演奏家別のコレクションをそのまま「コレクターズ・シリーズ」としてセットで出すことにした。当社では初の試みとなる。長年かけた厖大な時間はお金には換算できない。また縁あって集まったコレクションを散逸させず後世に受け継ぐことも国を跨いだ文化継承になるだろう。レーベルは複数にまたがり、オリジナル盤だけとは限らない、また意に沿わない国の盤が混じることもある。それらをご承知の上でご検討いただけると幸いである。基本バラセットである。ご興味のある方は是非この機会に!今回は「ピエール・バルビゼ」。ピエール・バルビゼ(1922-1990)はチリ生まれのピアニスト。フランスに帰化した。パリ音楽院に学び、1944年にピアノ科の首席となる。また音楽史や室内楽でも首席に輝いた。1948年にスヘフェニンヘン国際コンクールのグランプリに輝き、1949年には、ロン=ティボー国際コンクールの5位に入選した。ご存じクリスチャン・フェラスとのデュオで長年コンビを組んで多くの室内楽における名演を残した。バルビゼのソロ録音は少なく、モノラル期にBAMにモノラル録音したモーツァルト協奏曲やLe Chaut de MondeのモーツァルトPfソナタが思い出されるものの確かに少ない。ベートーヴェンも実はモノラルでBAMにPfソナタ7番Op.10-3/28番Op.101が残されている。しかし大半がクリスチャン・フェラスとの共演でそのため伴奏ピアニストとしてのイメージが定着してしまっているがソリストとしては一流である。1963年頃クリスチャン・フェラスと一緒にDGGに移籍したがクリスチャン・フェラスばかりが注目を浴び、カラヤンに気に入られ多くの録音を行ったのに対し、バルビゼは仕事が少なく、僅かなフェラスとの共演があっただけである。DGGでは冷遇された。しかし相棒のフェラスは精神を病み結局自殺してしまう。相棒を失い、録音の機会もないバルビゼが途方に暮れたことは容易に想像がつく。1960年後半~1970年代は殆ど録音が無かったが、1970年代後期に心機一転ERATOに移籍し、このベートーヴェンのソナタ3曲を残した。この時バルビゼはまだ57歳であり本来ならバリバリと録音ができる才能と体力があった事を考えると、全く惜しい才能を枯らしてしまった。晩年とまで言えない年齢だがバルビゼのベートーヴェンは気力も漲り時折強い瞬発力で放たれる打鍵にはまだまだいけるという印象が強い。枯れた味わいではなく、まだ充実の真っ只中という演奏を見せる。こういう名手が隅に追いやられる程フランスでは音楽家が群雄割拠していたのだろう。これ以降のソロ録音は一切入荷がないことを考えると寂しい気分だが、一人の名ピアニストの存在事実を語る証拠としてこの録音の価値は大きいと思える。今回は珍しい4枚を纏めた。
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