[COLUMBIA] W.ギーゼキング(pf) / ドビュッシー:15のPf小品/2つのアラベスク, 夢想, 夜想曲, ロマンティックなワルツ, 喜びの島 他
商品コード: 1258-020b
商品詳細:ヴァルター・ギーゼキングは1895年ドイツ人の両親のもと、フランスのリヨンに生まれた。モーツァルト、ドビュッシー、ラヴェルなどのソナタ全集をモノラル録音している。最後の録音は「田園」ソナタの第3楽章で、そこで猛烈な腹痛を起こし、急性膵炎と診断され手術は成功したものの、術後の経過が悪く4日後の1956年10月26日に息を引き取った。60歳だった。因みに同年生まれのケンプは1991年に95歳で大往生し、ギーゼキングより35年も長生きした。ドビュッシーの初のピアノ作品全曲録音を行ったピアニストとして永遠に名前は刻まれるだろう。恐ろしく濃密で空気を圧縮したかのような時間が流れる。元々遅いテンポが更に遅く感じられる。ギーゼキングは新即物主義の体現者として知られるが、聴いた印象で新即物主義とは程遠いロマンチックな奏者と感じるだろう。それは当然で新即物主義は音楽に限らず全ての芸術に起こった客観性を重んじる表現態度のことであり、音楽ならばそれ以前のSP期にあった過度な表現主義に対しての用語であり、ギーゼキングの演奏スタイルが即物的であるという事ではない。新即物主義的ピアニストとしてケンプ、ゼルキン、アラウ、ホロヴィッツがいる。指揮者ではF・ブッシュ、ベーム、セル、カラヤンがそうだとされている。学者が作った用語なのでピンとこないのも当然だろう。レコードを楽しむのに学者が作った用語に振り回される必要は全くない。ドビュッシーの全曲録音から1枚だけ選ぶとすればこの16曲入りのPf小曲集をお勧めする。当盤は33CX 1149/FCX 296の再版とばかり思っていたが、よく調べてみるとい33CX 1149/FCX 296が15曲なのに対し、1960年頃発売されたこのFCX 30025は16曲入りであることが判明した。追加された1曲は「スケッチブックから」で、この曲はFCX 30025がオリジナルである。録音は15曲と同じ1953-1955年だが、当時の製版段階で時間の都合か?含まれなかった。1960年時点で技術的に溝による余裕が生まれ、ボーナス・トラックのような形で追加されたと思われる。最近当社ではできる限り完璧に曲目を入力しているが、その過程で判明した新事実である!
ギーゼキングの在庫一覧へ