[Ducretet Thomson] ウィーン・コンツェルトハウスQt. / モーツァルト:SQ15番K.421, 19番「不協和音」K.465
商品コード: 1262-015p
商品詳細:Westminsterというレーベルは米国の会社ながら当初からウィーンとロンドンでの録音を中心に据え、特に当時まだ本格的なLPでの録音が希少だった室内楽分野を手厚くラインナップに据えたカタログ構成で世界中のファンを獲得したクラシック専門レーベルである。その中でも多くの作曲家の弦楽四重奏曲を当初から全曲録音する手法で顧客の囲い込みに成功した経営方針をとっていた。当時第二次世界大戦で荒廃し、仕事がなかったウィーンの一流音楽家たちが安価な報酬のもと進んで録音に参加した点も成功の要因である。特にモーツァルトの室内楽には力を入れた。これらの録音は100年経っても陳腐化しない価値を持った録音群であると断言できる。弦楽四重奏曲では1951年にアマデウスQt.が16・17・18番と23番。1952年にはウィーン・コンツェルトハウスQt.が15・19番。1953年にバリリQt.が14・22番。また1954年にやはりバリリQt.が21番、次いで1955年に同じくバリリQtが1・20番、ミラノ四重奏の2~7番の6曲、ウィーン四重奏曲の8~13番の6曲を録音し完結した。録音順にアマデウスQt.→ウィーン・コンツェルトハウスQt→バリリQtの順で全曲録音に参加したことがわかる。他にも彼等はベートーベン/シューベルトの録音を行っている。1950年代当時、複数の団体や指揮者で全集録音をシェアすることは普通に行われていた。バラバラに発売されていたこれらのLPを1956年頃から整理し曲順のカップリングに直して番号変更を行ったシリースがWN又はXWNシリーズである。XWNシリーズで揃えることで無駄なく全曲が集まる米国流の考えが導入された。しかしオリジナル盤と大きく音質が異なるのである。このあたりは悩ましいところで、何方を優先するかの考え方である。確かにXWNシリーズならばキズ盤も少なく、音質も安定している。一方、オリジナル盤の鮮度の良いやや暴れた音は魅了大である。1990年代から日本にも欧州盤が普通に入るようになると、ここに欧州盤という選択肢が増えて、状況は複雑化してゆく。個人個人の志向が優先される時代となった。この仏Ducretet Thomson盤は最も入手の困難な希少盤の一つで更に初年度盤で、しかも盤質が良い盤となれば、生涯に何度お目に掛かれるか見当もつかないレベルとなる。そんな極めて貴重な盤は多くのファンが有られる中でたった一人の方にしかお分けできないところが心苦しい部分である。一度仏Ducretet ThomsonやVEGA版を聴いてしまうと、もう後戻り出来ないことも事実だろう。
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