商品コード:1346-017[DECCA] P.マーク指揮/ モーツァルト:セレナーデ4番K.203
商品コード: 1346-017
商品詳細:1954~55年ロンドン・キングズウェイ・ホールでのモノラル録音。ステレオは未発売。K.203の録音は多いが、早足で通り過ぎるステレオ録音を聴いた耳で改めて試聴すると、何とも古典的で優雅な演奏だろう。まったく急いでいるところが無いのに、きちんとモーツァルトのテンポが出ている。ゆっくりとした演奏。'70年代に入って小編成のK.203の録音が主流になったが、マークのこれは、それと同様のスタイルを当時からやっていたようだ。第2楽章のソロVnが胸に沁みる美しい名演。マークのモノラル録音。オケのニュー・ロンドンso.は1871年に建てられたロイヤル・アルバート・ホール劇場付きのオーケストラであるロイヤル・アルバート・ホール管弦楽団の古い名称である。ロイヤル・アルバート・ホールでは「BBCプロムナードコンサート」が毎年開催され、演目によってはロンドン・プロム交響楽団と呼び方が変わる。1904年発足のバービカンセンターに本拠を持つロンドン交響楽団とは全く別の団体。ペーター・マーク(1919 - 2001)はスイス東北部ザンクト・ガレン出身の指揮者。バーゼル大学とチューリッヒ大学で高名な神学者、カール・バルト(1886~1968)に神学と哲学を学ぶ一方、ポーランドの作曲家チェスワフ・マレク(1891~1985) に作曲とピアノを学び、アルフレッド・コルトー(1877~1962)のマスタークラスに参加した。19歳の時にはルツェルン音楽祭のトスカニーニ指揮、ヴェルディのレクイエムでアシスタントを務める。また指揮をエルネスト・アンセルメとヴィルヘルム・フルトヴェングラーに師事。スイス・ロマンド管弦楽団でアンセルメのアシスタントを務め、また、二人の全くタイプの異なる巨匠に学んだことでマークのスタイルは完成されたと考えられる。1955年ボン市音楽監督就任、1964年ウィーン・フォルクスオーパー音楽監督就任等のポストを得る。DECCAへのこれらの録音で、モーツァルトとメンデルスゾーンのスペシャリストとして世界的な名声を得ていった。禅に傾倒し、1962年から2年間香港で禅僧として修行したという、指揮者としては異色の経歴の持ち主。録音は決して多くはないが、アンセルメのスタイルを引き継いで演奏したモーツァルトは、アンセルメが殆ど録音しなかったモーツァルトをまるでアンセルメの演奏であるかのように感じさせるものである。しかしそこにモーツァルト弾きとして、ペーター・マーク独自の感性が加味されたことで「ペーター・マークのモーツァルト」という独自の世界、ブランドを作り上げたと言ってよい。デビューは1950年にDECCAに既にモノラル録音を入れている。1960年代前期にDECCAからDGGに移籍した。パイネマン(vn)と共演したドヴォルザーク、米VOXへ録音したモーツァルトとシューベルトがある。ヨーロッパ楽壇復帰後の1964年にはウィーン・フォルクスオーパーの常任指揮者となり、1969年にはミラノのスカラ座にデビュー(マスネの《マノン》)、1972年にはニューヨークのメトロポリタン歌劇場にデビューした(《ドン・ジョヴァンニ》)。同じ年にはパルマ王立歌劇場の芸術監督、1974年にはトリノ王立歌劇場の芸術監督に就任し、同時にフェニーチェ劇場でも指揮を執り、《トリスタンとイゾルデ》や《こうもり》などオペラのレパートリーで成功を収めることになる。日本で特別高い人気を誇る理由は1981年から1995年にかけて6度の客演を行った東京都交響楽団との演奏会である。マークのキャリアはDECCAの香港以前と、香港以降のオペラ録音に大別される。なんといってもDECCA録音は印象的であり、マークにしかできない香港以前のモーツァルト演奏は今となってはお宝である!
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