[La Voix De Son Maître] G.シフラ(pf) A.ヴァンデルノート指揮フィルハーモニアo. / チャイコフスキー:Pf協奏曲1番Op.23
商品コード: 1298-047
商品詳細:シフラがロンドンで録音したチャイコフスキー:Pf協奏曲1番。フィルハーモニアo.はフランスのオケと違って、誰が振ろうが基本的に端正な造形は変わらない。それでもヴァンデルノートは持てる個性を出す努力をしているようだ。それより、シフラが意外にも自由に弾いている。グリーグ/リストでも組んだ2人、信頼関係がしっかりあるようだ。1958年はシフラにとって大変忙しい年になった。アンドレ・ヴァンデルノートとは同年7月リスト:ピアノ協奏曲第2番(前年にデルヴォー/フランス国立放送o.とピアノ協奏曲第1番がある)、9月にチャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番(当録音)と二つの協奏曲を録音した。ソロがメインで協奏曲の録音が少なかったリスト弾きがチャイコフスキーの大作を録音しており、場所はロンドンまで移動してである。実はこのチャイコフスキーは2度目の録音で、 1957年1/2月のパリのサル・ワグラムでピエール・デルヴォー(指揮)フランス国立放送管弦楽団とモノラル録音を行っていた。同じEMIグループで2年程の間にチャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番を2度録音するとは異例中の異例である。2回目がステレオ録音とはいえ、あまりに近すぎである。最初の録音がそれだけ好評を博したのだろう。この曲は1957年4月カルロ・マリア・ジュリーニ(指揮)フランス国立放送管弦楽団とライブ録音があり、フランスではチャイコフスキーといえばシフラという図式ができてたような印象。ジョルジュ・シフラ(1921-1994)といえばハンガリーで捜索が掛けられウィーンで発見され、半ば強引にパリに連れて来られ、翌月にはその日暮らしだった生活が180度変わり、突然スターの座に昇った超絶技巧を売りにしたピアニストである。1956年11月に初めてパリで録音してから僅かな時期の出来事である。このロンドン録音はヴァンデルノート/フィルハーモニアo.の万全なオケが完璧でピアノが出て来なくとも音楽として成立しそうな勢いである。そこに自信をつけたシフラの落ち着いてはいるが血気盛んなソロが乗って、成功が約束されたような録音といえる。この録音はソロだけでなく、英国のレコード産業の粋を結集したような録音といえる。英国では His Master's Voiceからも発売され、シフラの名声はこれで国際的となった。この名演はいつ聴いてもわくわくさせてくれる仕掛けが施されている。アンドレ・ヴァンデルノート( 1927- 1991)はベルギーの指揮者。この時まだ31歳の新進気鋭であった。才能のあふれるこの若手はまずフランスで成功し、ポストこそなかったがEMIグループでは次世代を担う大物指揮者として積極的に録音を任された。月並みな曲ではあるが、聴いたらびっくりのEMIが誇る超高音質録音!フランスでステレオはASDF 120→ASDF 610→CVA 610→2 C 065-10592--と変遷する。
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