[DECCA] C.シューリヒト指揮ウィーンpo. / モーツァルト:交響曲35番K.385「ハフナー」, シューベルト:交響曲8番「未完成」
商品コード: 1298-018p
商品詳細:シューリヒトのDECCA録音の中で、特別に内容が良い。モーツァルトは重厚な中にも軽快感があり、重くないが軽薄でない素晴らしいバランス。そして、ベートーヴェンほどスピードを上げずに、いい味を出している。彼はDECCAの後、VSMでベートーヴェンの素晴らしい全集を残した。しかし、その萌芽はすでにこのDECCA時代にあり、独自のテンポ感はここにも見え隠れする。未完成は既にシューリヒト節が随所に散りばめられており、こちらの方が面白い。モノのみ発売。シューリヒトのDECCA時代の名演!シューリヒトもまたプロデューサーであるカルショウとはソリが合わなかった指揮者の一人。合わなかったというより、やり直し魔だったらしく、どの録音にも満足が出来ず何度でもやり直しを要求した完全主義者だった。その為、レーベルとも楽団員とも折り合いが悪く、しまいには居場所がなくなってゆく。モーツァルトの生誕200年にあたる1956年1月27日に、ウィーン・フィルの戦後初のアメリカ・カナダ演奏旅行に同行するはずだったエーリヒ・クライバーがチューリッヒで急逝した。ウィーン・フィルは首席指揮者として、前日にザルツブルクのモーツァルテウム大ホールで成功を収めたシューリヒトを選出する。シューリヒトは戦後初めてウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とアメリカとカナダをツアーし、12のコンサートを開き(ワシントンのDARコンスティテューション・ホールとニューヨークのカーネギー・ホールなど)大成功を収めた指揮者だった。このツアーから、シューリヒトとウィーン・フィルの蜜月が始まった。このモーツァルトは1956年6月に録音され、DECCAが意図したモーツァルトの生誕200年記念録音だったのかもしれない。シューリヒトの演奏スタイルは基本的にテンポが非常に速く、リズムは鋭く冴えており、響きは生命力に満ち、かつ透明度の高いものであった。ウィーン・フィルからはその音楽感から慕われたようだが、DECCAはそうではなかった。翌1957年位はEMI(パテ)に移籍して、パリ音楽院管o.とベートーヴェン/交響曲全集を録音するが、長く留まることはなかった。EMI(パテ)でも同じ問題でついには追い出されしまう。これはシューリヒトのDECCAでの最後の輝きにも似た名演である。指揮者とオケが一体となった唯一無二の演奏といえる。
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