[PHILIPS] H.クレバース(vn) W.v.オッテルロー指揮ハーグ・レジデンティo. / ベートーヴェン:Vn協奏曲Op.61
商品コード: 1301-058
商品詳細:同じPHILIPSのグリュミオーやフランチェスカッティの影に隠れ、ほとんど表舞台に上ったことのないクレバースだが、コンセルトヘボウ等の一流オケを支えてきた古参だ。様式美と古典的芸風でSP期から60年代の端正なスタイルへと橋渡しの役目を果たした貴重なヴィルトゥオーゾの一人で、これを聴けばその力が並のものではないことが解るだろう。決して力まずヴィヴラートが適度にかかった優しいその音色は50年代初期の巨匠だけが持っていたあの上品で香り高い名人達と共通している。ヘルマン・クレバース(1923- 2018)、クレッバースの方が正しい発音らしい。オランダ・オーファーアイセル州の生まれ。イザイ門下のオスカル・バック教授(1870~1963)に師事。9歳10か月でリサイタル・デビューしている。19歳でロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団で演奏。1951年にテオ・オロフと共同でハーグ・レジデンティ管弦楽団のコンサートマスターに就任。1962年にはロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のコンサートマスターに就任した。アムステルダム国立高等音楽院(旧王立スウェーリンク音楽院)のヴァイオリン教師として、フランク・ペーター・ツィンマーマン、エミー・ヴェルヘイ、天満敦子、玉井菜採、梅津美葉、山田晃子など、数多くの音楽家を弟子とした。クレバースはフランコ=ベルギー派の伝統を受け継ぐヴァイオリニストであり、彼が在籍した18年はロイヤル・コンセルトヘボウo.の黄金期と重なる。1951年ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲のモノラル録音がデビューLPとなる。1968年9月ハイティンク指揮コンセルトヘボウ管弦楽団のメンバーとして初来日。1979年まで多くの録音があるが1980年海難事故による右腕故障のためアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団のコンサートマスターを辞任。アムステルダム音楽院の教授として後進の指導にあたる。芸格は非常に高くグリュミオーと同格といって差し支えないと思われる。2018年94歳で亡くなった。天満敦子、堀米ゆず子、戸田弥生、梅津美葉、島田真千子、玉井菜採、大谷玲子など多くの日本人Vn奏者を育てた。PHILIPSは早い時期からグリュミオーに主役の座を譲ったため録音は1950年代中期までに数点が残るだけである。ベートーヴェンは1952年にA 00132 Lで初リリースされ1956年に美女ジャケット入りS 04000 Lに変更された。クレバースの代表作である。1960年代には当時の世界三大コンマスなる言葉があり、ウィーン・フィルのボスコフスキー、ベルリン・フィルのシュヴァルベ、コンセルトヘボウのクレバースの3人だったらしい。今となってはクレバースは忘却の彼方へまっしぐらの気配だ格調高いソロを聴けば、やはり昔の奏者は誰彼上手かったと溜息が出るばかり。
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