[PHILIPS] A.グリュミオー(vn) J.フルネ指揮コンセール・ラムルーo. / サン・サーンス:Vnと管弦楽のための作品集
商品コード: 1301-045
商品詳細:アルテュール・グリュミオー(1921 - 1986)はサン・サーンスのこれら3曲を2回録音していて、よく知られるのはロザンタール/コンセール・ラムルーo.との1963年12月、1963年4月パリでモノラル/ステレオ録音だろう。これは同じコンセール・ラムルーo.だが指揮者はジャン・フルネで1954/1956年のモノラル旧録音になる。この旧録音の存在はあまり知られていない。それはLPがかなり希少で見たことのないLPに近い希少盤ということも理由だろう。グリュミオーがまだ30代半ば当時の良い時期であり、当時サン・サーンスの作品はベートーヴェンやモーツァルト程メジャ―ではなかったからだろう。その為2回目録音であり、ステレオのロザンタール盤が世に知られる事となったようである。ジャン・フルネ/コンセール・ラムルーo.との1954年6月の協奏曲第3番と同時期にラロ:スペイン交響曲も録音していて、そちらも希少である。モーツァルトの最初のヴァイオリン協奏曲集が録音されたのも1953年11月~1955年5月でありタップリ脂の乗った良い時期である。フランコ・ベルギー派の代表格として、これらフランス作品をモノラル録音。録音はややソロが引っ込みがちなバランスだが、グリュミオーの音は上品でツヤがあり申し分ない美音。1970年代以降これらサン・サーンス作品は技巧を見せる曲としてメカニックが強調される形での録音が主流になっていくが、グリュミオーの表現は正反対でロマン派作品として、しっとり、じっくりとロマンチックに歌っている。サン・サーンスは多くの協奏曲を書いていて、どれも古典的であり、1900年代に入るとフランスでは革新的な波が押し寄せるが、それを知った目で見ると古臭い回顧趣味に感じる点は確かだろう。グリュミオーは敢えてそこを美点のごとく、ノスタルジックに表現することでサン・サーンスのロマン性を強調している。序章とロンド・カプリチオーソもハバネラもこんな風に弾かれたら、誰も技巧を見せる曲であるとは思わなくなるはず。グリュミオーのスタイルが昔のものだとしても、この演奏の美点は残るだろう。他のモノラル録音同様、グリュミオーの若き日の優れた芸術としての価値は不変だといえる。
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