[PHILIPS] A.グリュミオー(vn) E.v.ベイヌム指揮コンセルトヘボウo. / ベートーヴェン:Vn協奏曲Op.61
商品コード: 1301-044
商品詳細:グリュミオーは時代に関係なく根強い人気を誇る。彼の美質は何と言っても音色の美しさと表情の品の良さに尽きる。それなら、楽器本来の音をリアルに再生するモノラルが有利である事は言うまでもない。それにこのベートーヴェンは、ベイヌムのオケも素晴らしい。コンセルトヘボウの真価をまざまざと見せつける。モノラルの太い音と迫力で感動を呼ぶベートーヴェンが聴けることを保証する。ソロは、信じ難いほど瑞々しい。1957年モノラル録音。グリュミオーはベートーヴェン:Vn協奏曲を3回録音していて、これは1957年モノラルの初回録音になる。当時コンセルトヘボウo.のシェフであった エドゥアルト・ファン・ベイヌムの指揮でハイティンク以前のコンセルトヘボウo.の古き良き時代のオーケストラの音が楽しめる点も魅力の一つ。その後1967年頃にアルチェオ・ガリエラ/ニュー・フィルハーモニアo.とのロンドン録音→1974年頃C.デイヴィス指揮コンセルトヘボウo.との3回目がある。初回録音だけがモノラルの為かあまり目立たないがグリュミオーのソロもオケもこれが1番良い。しかしステレオこそが善であるかのような昨今の風潮がこれまで見えていたものを見えなくしているフィルターのような働きをしている点がどうも良くない傾向である。1957年のアルテュール・グリュミオー(1921 - 1986)は当時36歳。弦楽奏者にとっては脂の乗り切った黄金時代である。流石のグリュミオーも1970年代に入るともはやこの時期のような音が出せなくなっている。弦楽奏者は若い時が良いのは公然の定説でありグリュミオーも例外ではない。鑑賞を阻害するほど音が悪ければ話は別だが、この時期のPHILIPSのモノラルは完成された素晴らしい音質である。初回録音を避ける理由はどこにもない。先入観という、最も悪質な情報が本質を見えなくしていることに気付いた人にだけレコードの光悦は訪れるのだと信じる。グリュミオーは、あらゆるジャンルにわたってヴァイオリン作品を幅広く演奏・録音した。そのレパートリーは、バッハやヴィヴァルディといったバロック音楽の作曲家をはじめとして、モーツァルトやベートーヴェン、ブラームスといった古典派やロマン派の協奏曲やソナタ、ヴィオッティの協奏曲、パガニーニの超絶技巧協奏曲やその他協奏作品、フランクやフォーレのソナタといった近代以降の定番や、ヴュータンのようなお国ものに加えて、ベルクやストラヴィンスキーのような20世紀の音楽までに及んでいる。いずれの曲目においても、グリュミオー独特のヴァイオリンの艶やかな音色と、瑞々しいまでの抒情性が抜きん出ており、同時に気高い品格を感じさせるのがグリュミオーの演奏様式の特色である。特にグリュミオーのヴィブラートはヴァイオリンの演奏史上最も美しいと称される。本道中の本道であるベートーヴェンにも全く同じことがいえる。
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