[COLUMBIA] G.ツィピーヌ指揮オペラ・コミック国立劇場o. / フォーレ:管弦楽作品集/マスクとベルガマスク, ペレアスとメリザンド, ドリー
商品コード: 1224-044b
商品詳細:フォーレの管弦楽作品集は非常に珍しい。モノラル期ではこれ以外に無いかも知れない。元々フォーレはオーケストレーションが苦手だったという。ピアノ譜のみ仕上げて管弦楽化は他人任せにする例も多かった。有名なレクイエムも伴奏部は別人の手によるという。1曲目の「ドリー」はピアノ連弾のための6曲からなるピアノ組曲の名曲でご存じの方も多いだろう。正にフォーレを代表する曲である。1898年にアルフレッド・コルトーとエドゥアール・リスラーの連弾によって初演され、翌年には初演者コルトーの手によるピアノ独奏版が、1906年にはアンリ・ラボーによる管弦楽編曲版が出版され、原曲に加え編曲版も有名になっている。管弦楽版はやはりフォーレ自身の手によるものではない。原作が素晴らしいので管弦楽編曲版も非常に楽しめる。原曲と同じ6曲構成である。「マスクとベルガマスク」は、ポール・ヴェルレーヌ『艶なる宴』を原作とした舞台音楽とて作曲された。全8曲構成で2曲の歌曲がある。フォーレは8曲の楽曲の中から、作品番号を持つ旧作を除いた「序曲」「メヌエット」「ガヴォット」「パストラール」の4曲を抜き出して、管弦楽組曲に編曲している。ここではフォーレ編の4曲版を使っている。最後の「ペレアスとメリザンド」はモーリス・メーテルリンクの戯曲『ペレアスとメリザンド』の劇付随音楽として1898年に作曲された。翌年フォーレは『ペレアスとメリザンド』の付随音楽から「前奏曲」「糸を紡ぐ女」「メリザンドの死」の3曲を選んで管弦楽用の組曲とした。このとき、ケクランによるオーケストレーションに手を入れ、オリジナルの室内オーケストラ用から二管編成用に拡大した。その後、さらに「シシリエンヌ」「メリザンドの歌」の2曲を加えて5曲編成とした。現在ではこの組曲がもっぱら演奏されるが、「メリザンドの歌」のみが声楽入りであるため、この曲を外した4曲構成もよく見られる。また、オリジナルの劇付随音楽からの小品を適宜加えた形でも演奏されることがある。フォーレの他の作品と同様、演奏効果の点では地味だが、内容的な充実からして中期を代表する傑作といえる。ここでは4曲版で演奏している。通例シャルル・ケックラン編と呼ばれる。ドビュッシーはこの曲に触発され1902年オペラ『ペレアスとメリザンド』を書いた。ジョルジュ・ツィピーヌ(1907~1987)は同世代のクリュイタンスの陰に隠れてしまったが、1950年代にはパテ社の看板指揮者であり、ベルギー生まれのクリュイタンス(1905-1967)に対し、パリ生まれのロシア系ユダヤ人である。1931年より指揮者として活動。1941年にカンヌのカジノで指揮者を務め、ローラン・プティ・バレエ団やパリ音楽院管弦楽団などと共演を重ねた。1960年から1965年までメルボルン交響楽団の首席指揮者を務めた後は、母校で後進の指導に専念した。これはクリュイタンスも録音しなかったフォーレの管弦楽作品の先駆者的録音であり、今もこれを超える録音はないだろう。カッサンドル工房デザインのジャケットも見事!
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