[Le Club Français Du Disque] P.サンカン(pf) P.デルヴォー指揮南西ドイツ放送o. / ラヴェル:Pf協奏曲, 左手のためのPf協奏曲
商品コード: 1226-063b
商品詳細:ピエール・サンカン(1916- 2008)、フランスのマザメに生まれた。パリ音楽院でN.ガロン、C.ミュンシュ、H.ビュッセルに師事。1956年ナットの後任としてパリ音楽院ピアノ科教授となった仏ピアノ界の重鎮。録音は多くなく、ポミエとのモーツァルト、ナヴァラとのベートーヴェン:Vcソナタ全集があるくらい。これは'64年頃の録音。デルヴォーの指揮はアグレッシブ。サンカンのソロは一音一音が意味深げで、フランソワと比べても重厚。力で押さず、オケと同化し、力まず、一聴弱いがその実、風景にも似たデリケートで自然体。古き良きフランスの気分を体現する奥ゆかしさを感じられる演奏と言える。力で押すだけが良い演奏とは言えない。オケとの付かず離れずの一体感が大切。日本人なら理解されるワビ・サビのイメージをラヴェルに投影している印象を受けた。楽器はスタインウェイを使い、その和みのある温かい音色に魅了される。聴くほどに味わいの深まる演奏とはこのことだろう。音響の激しさだけで聴くと、その後にやってくるのは飽きである。1930年代以降に生まれたピアニストにはなかなか無い感性だろう。教育者として名高い、生徒に聴かせたい本物の演奏に拍手を送りたい。情景が浮かんでくるような巨匠のみが体現できる境地である。門下生にはジャン=フィリップ・コラールやオリヴィエ・ギャルドン、ミシェル・ベロフ、ジャック・ルヴィエ、ジャン=マルク・サヴェリ、アチ・ベルトンチェリ、ジャン=フランソワ・アントニオーリ、 岩崎セツ子、窪田隆などがいる。ステレオも存在するがLe Club Français Du Disqueのモノラルは非常に音質良い。
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