[COLUMBIA] S.フランソワ(pf) / ショパン:14のワルツ
商品コード: 1257-059b
商品詳細:ごく最近フランソワがショパンの14のワルツを2回録音していたことが判明した。きっかけはFCX 30205というどう見ても再版にしか見えないフランソワのワルツ集を調べていたときに、何故かこのプレスは1963年1月録音ではあり得ないフラット重量盤であったからである。オリジナルが紺/銀音符段付きグルーヴガード厚手レーベルで再版がフラット重量盤という事はいかなフランスでもあり得ないことである。そこでFCX 30205は1958年のモノラル旧録音であることが判明した。これまでFCX 30205を当1963年録音のモノラル再版として販売してきたので、運よく安価で購入されたお客様は実に幸運であったことを述べたい。これはよく知られた1963年1月の14のワルツ集のモノラル盤である。曲順まで全く同じであり、別録音であると気が付く方は僅かだろう。よく聴いてみると少し節回しが異なる。1958年の旧録音よりフランソワ節が濃厚で良い意味でエキセントリックに感じられる。半面パワーの点で減退していることは言える。フランソワのパワーは不要と思われるかもしれないが、ピアノを弾くには想像以上のパワーが必要であり、更には自身を追求し最大限に表現するには凄まじいパワーがいるのである。細部を見れば、パワーが減った為に、スムースだった部分に力みが感じられ、旧録音より滑らかさの点で不自然に感じられる部分はある。これは両者を丹念に聴き込んで初めて感じることである。最初から1963年の録音しか知らなければ大きな問題はない。最大の違いは細部の運指や表現より、新録音は全体に明るい雰囲気である。その為、新録音の方がより健康的なショパンに感じる。旧録音ではフランソワらしい退廃的なムードが濃厚であった。何方もフランソワの演奏だがこれらの違いがある。要は好みの問題であり、最近判明した旧録音に興味を持たれた方は是非お試しいただきたい。新録音のステレオはかなり高額だが、モノラルヴァージョンならそうでもない。
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