[CAPITOL] N.ミルシテイン(vn) W.ジュスキント指揮コンサート・アーツo. / 「Vn小品集」モーツァルト, ベートーヴェン, ヴィエニャフスキ, ノヴァチェック, ストラヴィンスキー, サン・サーンス
商品コード: 1264-055
商品詳細:ミルシテイン/ジュスキント指揮によるVn作品集。ピアノ伴奏の多いミルシテインだが、これは唯一オーケストラとの共演。勿論オーケストラ付きのオリジナル曲である。こういった曲種までミルシテインで聴けるとはファンにはありがたい。米/英/仏プレスがありそれぞれ特徴がよく出てる。モーツァルトのアダージョとロンドが入る。英・WRCからも出ている。絹糸の如き彼の弦の音がたっぷりと楽しめる。米盤の音に納得のいかなかった方には是非、買い替えをお薦めしたい。ナタン・ミルシテイン(1904 1992)はウクライナ・オデッサ(オデーサ)生まれのユダヤ系ヴァイオリニスト。英語読みではネイサン・ミルスタインとなるが当社ではナタン・ミルシテインで統一している。20世紀の傑出したヴァイオリニストの一人に数えれている。11歳のときレオポルト・アウアーの招きでペテルブルク音楽院に入学、アウアーのロシア時代の最後の弟子の一人となる。ロシア革命により1917年にアウアーがノルウェーに脱出してしまうと、キエフに戻り、ウラジミール・ホロヴィッツと知り合い、意気投合し、しばしば共演するようになり、1925年には西ヨーロッパでの演奏旅行も一緒に行った。この頃にはウジェーヌ・イザイの門も叩いている。1929年にレオポルド・ストコフスキー指揮のフィラデルフィア管弦楽団によりアメリカ・デビュー。ついにニューヨークに居を構えるが、度々ヨーロッパで演奏旅行に取り組んだ。1942年にアメリカ合衆国の市民権を取得。フランコ・ベルギー楽派の優美な演奏スタイルでその美しい音色から「ヴァイオリンの貴公子」と称される。CAPITOLはミルシテインを擁したことでクラシックファンからどれだけ信頼を得たか分からないレーベルである。正直少なくともクラシック音楽ではさほど大きな貢献のないこの米国レーベルが、業界で名声を持つのはひとえにナタン・ミルシテインの籍があったから、とするのは言い過ぎではないだろう。オケのコンサート・アーツo.はハリウッドでフェリックス・スラットキン( 1915– 1963)が創設したコンサート用オーケストラである。大衆的な何でも屋的なアカデミックなオケではない。しかしどの指揮者でも、どのオケでもミルシテインの録音となればそれらは二の次であり、ミルシテインがソロを取れば指揮者やオケに対する言及は意味がないとさえいえる。これはいくつかあるオーケストラ伴奏つきの小品集で米国タイトルは「 Milstein Masterpieces」。フランス盤では単に「Milstein Milstein Milstein」。モーツァルト、ベートーヴェン等お馴染みのオケ付き作品が並ぶ。フランス盤ならば音質には文句のないところ。日本で初期LPの始まりの時期に米国盤を購入された方はおられるだろう。お宝であるに違いないが米CAPITOLの最大の弱点はその音質にある。2000年代に入りCAPITOL音源のフランスプレスが入手出来ようになると、昔大枚をはたいた米CAPITOL盤の価値が音をたてて崩れるさまを体験されたことだろう。日本盤→米国盤→フランス盤と順を追って音質が向上してゆく。これは真実なので仕方がない。英国盤も存在するがミルシテインの持つ弦の華やぎを再現するLPとしてフランスPathéプレス以上のLPはないと思う。品物の価値が時間ととも変化するのはLPに限ったことではない。最初からフランスPathéプレスを聴く方より、段階を踏んで来られた方のほうがその価値への認識は大きなものになるだろう。
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