[ARION] J.J.カントロフ(vn) H.バルダ(pf) / リスト:VnとPfの二重奏曲, 忘れられたロマンス, 協奏的大二重奏曲, 祝婚曲
商品コード: 1266-048
商品詳細:今では、カントロフは仏Vn界きっての巨匠とされる所まで来たが、この録音の時、まだ33歳の若手だった。1945年アルメニア系ロシア人の両親の下に生まれ、'62~8年、7つの国際コンクールで入賞。1位が3回ある。G.グールドに絶賛されてデビューを飾る。1977年から度々来日。切れ味のよいシャープな表現力が魅力。リストの珍しいVn曲を4曲録音。録音は少ないが、リストらしい技巧的でありメロディアスな秀作。ピアノが特に美しく、素晴らしい完成度!実に楽しめる1枚!先頭のデュオソナタと表記された曲は正式には「ショパンのマズルカによる二重奏曲(ソナタ) 嬰ヘ短調」でリストがショパンのマズルカ(Op.6-2)を基に創作したVnとPfのためのソナタである。リストはショパンが亡くなってから1年余り経った1851年2月5日から8月17日にかけて、「ラ・フランス・ミュジカル」誌に17回にわたってショパンについての連載を発表し、修正した後、翌年に単行本として出版した。ショパンについての文献としては最初期のものであり、ベストセラーとなった著作である。リストは誰よりもショパンを研究しており、1830年代前半は、ショパンとリストはしばしば行動を共にし、同じ舞台に立ったことも1度や2度ではなかったと言われる。二重奏曲S127は知れらショパン研究から生まれた曲でマズルカ(Op.6-2)を土台として、この印象的なメロディーをヴァイオリンパートとピアノパートを上手く構築し、原曲の持つポーランド民謡がより芸術性高く進化した曲となっている。ショパン好きなら一度は耳にしたことのあるメロディーはヴァイオリン・ソナタと形を変え再び楽しめる幸福を味わえる。何故二重奏曲とし、ソナタとしなかったかはピアノパートをみれば明らかである。ピアノは伴奏の立場を完全に超越し、ピアノだけでまるでジャスのアドリブのような見せどころを随所に作っている。ピアニストであるリストならではの創作が見事に花開いた傑作パラフレーズ的な二重奏曲である。殆ど録音されることがないのは恐らくピアノパートの難易度が高すぎて、通常のVnとPfのデュオでは対応できないのではと思える。この超絶技巧を伴うパートを弾くピアニスト、アンリ・バルダはカイロ生まれのフランス人ピアニスト。CALLIOPEにショパンなど数点の録音を残す若手。ジュリアード音楽院を卒業して1978年フランツ・リスト・ブダペスト国際賞を獲得している技巧派である。名声こそないものの、聴けば驚きの演奏!ヴァイオリンパートより難易度の高いピアノパートを持つVnとPfのデュオ泣かせの二重奏曲を是非聴いていただきたい。
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