[La Voix De Son Maître] G.タッキーノ(pf) / Recital/バッハ:前奏曲とフーガ4番, モーツァルト:Pfソナタ8番K.310, リスト:亡き人たちの思い, ため息, プロコフィエフ:Pfソナタ3番
商品コード: 1269-058b
商品詳細:ガブリエル・タッキーノ(1934-2023)はフランス、カンヌ生まれ。今年の1月に88歳で亡くなった。フランシス・プーランク唯一の弟子として知られ、カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団・ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団と共演するなど、華やかな演奏経歴を持つ。6歳からピアノを学び、ニース地方音楽院で学んだのち、12歳でパリ国立高等音楽院に入学した。1952年プルミエ・プリ(一等賞)を取り、卒業すると同時にパリ楽壇にデビューした。1953年ヴィオッティ国際音楽コンクール優勝、1955年ジュネーヴ国際音楽コンクールで1位なしの2位、1956年のアルフレード・カルセラ国際コンクール優勝などの経歴を持つ実力派だが、日本ではほとんど無名に近いピアニストで、知られていてもプーランク弾きのレッテルを貼られたままである。このLPはVSMの580番という古い番号で、あの1936年生まれのハイドシェックが20歳でデビューしたFALP 493~やっと1年経ったか否かという時期。2歳上のタッキーノも似たような形でデビュー録音を飾っている。FALPの500番台はシューリヒトやフェラスなどの名盤がひしめき合う中心時代。その隙間に才能ある若手ピアニストのデビュー録音を1枚ねじ込んだVSM(フランスEMI)。曲はバッハ、モーツァルトなどのメジャー作品でA面を仕上げたレシタル。稀少盤につき、現物を目にするまで信じがたい1枚である。なぜならタッキーノのその後はあまり芳しくなかったからである。逆に1年前にベートーヴェンのソナタ29番でデビューしたハイドシェックのその後の活躍はご承知の通り。つわものが注目する中古LP市場でもタッキーノは人気があるとは言えない。しかし1957年当時、これは明らかにタッキーノの将来性を感じる、そんなデビュー作の紹介。このLPに関してはお宝級と断言したい。
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