[CBS] G.グールド(pf) / ヴァージナル曲集/バード:パヴァーヌとガヤルド1番, 6番, ヒュー・アシュトンのグラウンド, ヴォランタリー 他
商品コード: 1270-063
商品詳細:数多いグールドのアルバムの中で1枚だけ選ぶとなると、これを挙げる方も多い。競合する録音が存在せず、殆どグールドの発明に近いと思えるからである。欧州プレスは、米国盤に比べ柔らかな音質。ただ、ここではプレスによる音質差よりも、チェンバロも演奏するグールドが敢えてピアノを用いた真意について考えさせられる。古楽器演奏とは全く異なる楽しみ方がある。グールドらしさが端的に現れた1枚。目の付け所に関心させられる。これらは1967~1971年ニューヨークで少しずつ録音されたらしくLP1枚分に纏まったところで1971年にリリースされた。バッハ以前の作品の演奏としては唯一かもしれない。インタビューでグールドは「私にとってもっとも魅力的なピアノ曲は、ヴァージナル用に書かれた16世紀の曲です」と語っている。ウィリアム・バード(1543-1623)とオーランド・ギボンズ(1583-1625)は16世紀イギリス・ルネッサンス期の作曲家である。グールドの著作集「孤島のディスコグラフィ」の中で「どのように選んでも真っ先に私のリストに挙がるのは、ギボンズの作品である。」と書き、発言集収録の「ギボンズの賛美歌<このように天使たちは歌い>」で「ギボンズを聴いていると、他のどの作曲家を聴いている時よりも本当の意味で幸福な気持ちに満たされるのです。」と述べている程である。グールドのLPとしてはかなり特殊な位置付けとなる1枚。そして同時に、彼の時代を超えた音楽的なセンスの良さを裏付ける1枚である。
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