[Pathé-VOX] J.ホーレンシュタイン指揮バンベルクso. / ワーグナー:管弦楽集
商品コード: 1272-040pb
商品詳細:ヤッシャ・ホーレンシュタイン(1898-1973)は旧ソ連のキエフでユダヤ系の家系に生まれた。1911年に家族と共にウィーンに移り、同地で指揮者シュレーカーに師事。その後、ベルリン高等音楽院で学び、指揮者デビュー後はフルトヴェングラーの助手を務めた。1920年代には早くもベルリン・フィルやベルリン国立歌劇場o.を指揮し、ブルックナーの交響曲第7番やマーラーの『亡き子を偲ぶ歌』などを録音。しかし、1933年にナチスが政権を掌握するとドイツを去り、1940年に渡米し、アメリカ国籍を取得。戦後はヨーロッパ楽壇に復帰し、各地の一流オーケストラに客演。特定のポストには就かず、契約したVOXの手配によりウィーンso.とバンベルクso.を中心にかなりの録音を残した。1960年代後半には英国UNICORNヘ、マーラーを録音している。1954年初の古楽器を使ったブランデンブルク協奏曲全曲をウィーンso.と録音し、名高い。これは1955年頃録音のほぼ唯一のワーグナー録音と思われる。ヴァイオリニストのイヴリー・ギトリスは、ホーレンシュタインを「とても優秀」と評している。所謂爆演系の指揮者ではない。大人しいくらいのスタイルで端正に演奏する方針を貫いた。地味だが温かみと味わいのある録音を残した。大袈裟に演奏されることのあるワーグナーだが、敢えて穏やかに清冽に進めるこの演奏は管弦楽の楽しさを教えてくれる。ホーレンシュタインはユダヤ人でありながらマーラーやワーグナーを好んで演奏した指揮者である。政治と音楽を完全に分けて考えていたのだろう。早い時期からテンポを崩さず、遅めのスピードで淡々と進行するスタイルは師であるフルトヴェングラーと対照をなす所に彼の美学があるのだろう。ゆったりと浸れる静かなワーグナーである。
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