[WESTMINSTER] R.レイボヴィッツ指揮ウィーン国立歌劇場o. / シューベルト:交響曲9番 ハ長調D. 944「グレイト」
商品コード: 1273-043p
商品詳細:ルネ・レイボヴィッツと聞いてリーダーズ・ダイジェストのベートーベンの交響曲全集がすぐに浮かんだ方はかなりのレコード通である。それは「ベートーヴェン自身のオリジナルなメトロノーム記号に出来るだけ従おうとした最初の録音」であったとされる。この「グレイト」も同様のコンセプトで演奏されている。過去の伝統的なスタイルを一度リセットし、レイボヴィッツ流に一から再構築した画期的で独創的な演奏なのである。ベートーベンと同様に目から鱗が落ちるような演奏といえる。これまで当然のように思われていた情熱的な展開はここにはない。すっきりと見通しの良い湖水の水面のように僅かなさざ波と感じるシンプルで透き通るような演奏には改めて驚くことになる。全体にさっぱりした印象を感じるが、それは意味のなかった無駄な音をそぎ落としていった結果であり、最初から狙ったものではないと感じる。第一印象はテンポ感である。一切の重さを感じない、だからといって軽々しい演奏ではない。音の少なさと切れ味の鋭さが軽さの要因だろう。レイボヴィッツは1962年ロンドンでロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団と再録音していてRCAから発売されている。再録音とこの初回録音は基本的スタンスは同じと思われる。これほどの独創的である録音が人知れず埋もれていることが信じがたいことである。、他の指揮者の脅威となるような演奏だったからだろうか? ルネ・レイボヴィッツ(1913~1972)はワルシャワの出身。後にフランスに帰化した。パリでは、レイボウィッツはジャズピアニストとして生計を立て、絶えず作曲していたという。度々米国を訪れ、1950年代にオペラ5作品を録音している。レイボヴィッツを有名にしたのは1961年ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団とベートーベンの交響曲全集の録音である。これはリーダーズ・ダイジェストのレコード部門から発売され話題を呼んだ。しかしレイボヴィッツが評価され始めたのはごく近年になってからである。ラヴェルの1幕オペラは他に『子供と魔法』と「スペインの時」が知られざる名演として存在する。いずれにしろ、レイボヴィッツが指揮者の異端児であったことはまぎれもない事実である。ウエストミンスターには他に《幻想交響曲》(初出品番:WST14046)、《舞踏への勧誘》(ワルツ集)(同:WST14025)、モーツァルトのモテット集(同:WST205(シェルヘン指揮《レクイエム》2枚組の第4面)と4点のステレオLPが存在する。知られざる名演たちといえる!
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