[Disques A Charlin] ヴォルフガング・フォン・カラヤンENS.(org) / モーツァルト:アダージョとフーガK.546, フーガK.426, 幻想曲K.594, 608, アンダンテK.616
商品コード: 1273-017
商品詳細:モーツァルトの作品群の中で特赦な分野が存在する。それはフーガとオルガン作品という2つの異なる分野だが、オルガンという楽器で結びつくことになる。「フーガ」はイタリア語で「Fuga」と書き、「逃げる」を意味する。バッハが得意とした「対位法」を技術的に完成させる手法の技術の頂点が「フーガ」である。勿論モーツァルトは多くの楽曲に「フーガ」の手法を取り入れているわけだが、中でもアダージョとフーガK.546や2台のピアノのためのフーガK.426の2曲ではその特徴が際立っている。構成楽器の違いこそあり、どちらもW.v.カラヤンEnsによりオルガン合奏に編曲されたことでモーツァルトが極めた手法がより明かになっている。後半の自動オルガンのための作品を合わせて、複数のオルガン編曲された演奏で聴くことでモーツァルトのオルガン作品の特徴性が理解されるだろう。自動オルガンのための3曲はヨーゼフ・ダイム・フォン・シュトリテッツ伯爵が開館蝋人形館で演奏する為の曲としてモーツァルトが依頼を受けた3曲である。楽曲は蝋人形館所蔵の時計仕掛けの自動オルガンのための曲である。この時モーツァルトは次の3曲を、1790年12月 ~1791年5月までに1.時計のなかのオルガン細工用の曲(自動オルガンのためのアダージョとアレグロまたは幻想曲、ヘ短調) K.594、2. 時計のためのオルガン曲(自動オルガンのための幻想曲) K.608、3.小オルガンのなかの円筒用アンダンテ(小さな自動オルガンのためのアンダンテ) K.616を完成させている。 このうちで、K.608 は最も雄大な構成と深い内容を持っており、J.S.バッハの「トッカータとフーガ」にならった作品ともいわれているが、単なる自動オルガンのためという目的をはるかに超え、厳格なフーガをロマンチックなアンダンテに仕立て直し、魅力的な作品に仕上げている。 そのためこの曲は、のちのロマン派の音楽家にも好まれ、ベートーヴェンはこの曲を写譜したほどである。今日、時計仕掛けの自動オルガンがどのような物か想像すらできないが、その蝋人形館の自動オルガンは失われたが、エッカルト・フォン・ガルニエ氏により復元されたものが山梨県北杜市清里のホール・オブ・ホールズにあるという。前半2曲のフーガ作品と後半3曲の自動オルガンのための作品は全く別の分野だが、フーガ作品はオルガン合奏の編曲に親和性が高く、指揮者、カラヤンの兄であるヴォルフガング・フォン・カラヤンの編曲に関する音楽性に驚かされる。
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