[PHILIPS] J.ドワイヤン(pf) J.フルネ指揮コンセール・ラムルーo. / フランク:交響変奏曲, フォーレ:Pfと管弦楽のためのバラードOp.19
商品コード: 1275-003
商品詳細:J.ドワイヤンは'70年代ERATOに多数録音があり、よく知られたピアニストだが、やはり黄金期は'50年代PHILIPSだろう。フレンチ・スタイルの良いところを受け継ぎ、更に近代感覚を良い意味でつけ加えた、'50年代としてはヌーヴェルバーグであったに違いない。それはカサドシュらと比較すれば明らかだ。フルネと入れたフォーレが特に良い。Pfを鳴らしすぎず、淡い音で格調高い品性を表現してみせた。今聴いても理想的な演奏。ジャン・ドワイアン( 1907 - 1982)はパリの生まれのピアニスト。9歳でパリ音楽院に入学し、エミール・シュヴァルツにソルフェージュ、ソフィー・シェネにピアノを学ぶ。1919年にルイ・ディエメのクラスに登録するも、同年12月にディエメが死去した為、1920年より彼のクラスを引き継いだマルグリット・ロンに師事。ラザール・レヴィにも学ぶ。1922年に一等賞を得て卒業した。1925年からコンセール・コロンヌでソリストとして活動を始めたが、その後もジョルジュ・コサードに対位法を学び、ポール・ヴィダルやアンリ・ビュッセルに作曲法を学ぶなどの研鑽を続け、1937年にはパリ音楽院からフォーレ賞を贈られた。同1937年、フォーレ国際コンクールで第1位を獲得、以来、フォーレ、ラヴェルを中心とした近代フランス音楽の権威として、高く評価された。1941年から師のロンの後任としてパリ音楽院の教授に就任し、1977年まで在任した。作曲や楽理も学んだ彼は、トマジ、ダンディなどの作品の初演も行った。中でもERATOへのフォーレのピアノ作品全集の録音は、正統的な演奏様式を余すところなく伝えた。WESTMINSTERに多くの録音を残した妹のジネット・ドワイアンの方が日本では先に有名になってしまったが、フランスでの地名度は断然兄の方が高い。録音は1930年代のSP期から多数存在し、LPではPHILIPSが最初のレーベルと思われる。パリ音楽院のスタイルを堅持した演奏はシニアの間では理解されつつある。華やかな音だけに心を奪われているうちはジャン・ドワイアンの良さはなかなか伝わらないかもしれない。特にフォーレに関してはこの人を抜きにして語れない。「甘美な音楽家」というあまりに一面的な評価がされている日本では甘美なだけではない演奏には目が行かなくなる。フォーレの音楽は、基本的にオルガン音楽がその源流になっているといわれる。つまり、聴いている者が期待するような音楽の進み方をしないことが、フォーレの音楽的な特徴であるらしい。そのあたりを行っていなと、甘美か否かという判断基準がまかり通ることになってしまう。そういう点で甘美を武器としないジャン・ドワイアンの演奏はフォーレの本質に迫れるかの試金石となる。
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