[MELODIYA] V.トレチャコフ(vn) A.ディミトリエフ指揮ソビエト国立so. / シベリウス:Vn協奏曲Op.47
商品コード: 1278-061n
商品詳細:MELODIYA録音のシベリウス:Vn協奏曲といえば1955年のオイストラフ/ロジェストヴェンスキー指揮国立モスクワ放送so.→1960年頃ミハイル・ワイマン(Vn)アルヴィード・ヤンソンス/国立レニングラードpo.→1971年頃B.コトロヴィチ(vn)V.コジュカル指揮ウクライナ国立so.→1976年ヴィクトル・トレチャコフ/アレクサンドル・ドミトリエフ指揮ソビエト国立so.(当盤)→1977年・リアナ・イサカゼ/アレクサンドル・ラザレフ指揮ソビエト国立so.の5人の録音が全てであると思われる。大国の録音歴としては寂しい気もするがピアノの異常な熟成度に比べヴァイオリンは普通といったところである。ヴィクトル・トレチャコフ(1946-)はシベリアのクラスノヤルスク生まれ。軍楽隊員を父にもち、非常に早くから楽才を発揮した。1956年にモスクワ中央音楽学校でユーリ・ヤンケレヴィチの講義を受け、その後モスクワ音楽院に進む。1966年に19歳で、第3回チャイコフスキー国際コンクールの首位となり、招かれて国外へ演奏旅行に赴いた。チャイコフスキー国際コンクールに優勝して以来、西側にも出て盛んに西側のオーケストラと共演をしている。オイストラフの影響があるらしいがオイストラフとは大きな違いを見せる。トレチャコフの特徴はなんといっても濁りのない美音だろう。その分オイストラフより線は細くなるが。旧ソ連でこういった繊細な音を武器としているヴァイオリン奏者は多くはなく、コーガンが最初の例と思われる。表現も繊細であり、野太くたくましいオイストラフの対極にあるヴァイオリン奏者だろう。1977年に録音したリアナ・イサカゼもトレチャコフに近いモノを持ってるが女性奏者であり、更に細く繊細さが武器となっている。トレチャコフはオイストラフの後に出てきた極めて西側の名手に近い存在といえるだろう。活躍したのがステレオ期であり、多くのメジャー協奏曲作品を録音した。それだけ当局から信頼を置かれた逸材である。日本での名声は決して大きくはないが、旧ソ連で重要なヴァイオリン奏者の一人であることは間違いない。シベリウスではその線の細さが巧みな効果を上げ、涼しさを強調出来ている。本来のシベリウスにあるべき雰囲気がよく醸成された演奏といえる。
トレチャコフの在庫一覧へ