[CRITERE] フランス弦楽トリオ(G.ジャリ(vn) S.コロ(va) M.トゥルニュ(vc) / モーツァルト:バッハの作品による6つのプレリュードとフーガK.404a
商品コード: 1278-017
商品詳細:1728年、モーツァルトは知人より、バッハの「フーガの技法」の写譜を入手した。モーツァルトはこの時、作曲家として一つの創造の危機を迎えたとされるが、それは容易に想像がつく。しかし、彼はこの曲を研究し、その結実として生まれたのが、このK.404aだ。数少ないフーガの大作である。フランス弦楽トリオの録音こそ、このバッハ的モーツァルトを実に上手く表現していて、作品誕生のイメージを連想させてくれる。これがこの曲の決定盤だろう!ゴットフリート・スヴィーテン男爵との出会いは、モーツァルトが徹底的にバッハを研究するための機会となった。 モーツァルトはこの庇護者の弦楽三重奏団のために、まず『平均率クラヴィーア曲集』のなかから3曲のフーガ、『フーガの技法』のなかから1曲、オルガン・ソナタ(2番)1曲、さらにW・フリーデマン・バッハのフーガ1曲を編曲した。 これらのうちの4曲には、緩いテンポの前奏曲を付け加え、他の2曲のためにはバッハのオルガン・ソナタのなかの楽曲を前奏曲として利用した。以下のようにバッハのフーガに前奏曲(序奏)をつけた構成で6曲から成る作品集を書いたといわれる。1.モーツァルト作の序奏とバッハの平均率クラヴィア曲集第1巻第8番嬰ホ短調(BWV853)をニ短調に移調したフーガ。2.モーツァルト作の序奏、フーガは第2巻第14番嬰ヘ短調(BWV853)による。3.モーツァルト作の序奏、 フーガは第2巻第13番嬰ヘ長調(BWV852)による。4.序奏はセバスティアン・バッハのオルガン・ソナタ第3番第2楽章、フーガは「フーガの技法」第8番。5.序奏はオルガン・ソナタ第2番第2楽章、フーガは同第3楽章。6.モーツァルト作の序奏、フーガはヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのフーガ第8番。現在はこの曲を疑作とする説が強く、「新全集」からは省かれている。もしこれがモーツァルトの真作とすればクラシック音楽の歴史上の2大巨星が時を超えて共作を生み出したかのような錯覚に陥るのである。フランス弦楽トリオの演奏はそんな錯覚に浸るに充分すぎるクオリティの演奏であり、これを超える演奏はそうないだろう。フランス弦楽トリオはジェラール・ジャリ(vn)、セルジュ・コロ(va)、ミシェル・トゥルニュ(vc)による弦楽トリオで、1959年のパリで結成された。フランスでそれまで弦楽トリオといえば3人兄弟であるパスキエ・トリオが全盛を振るっていたが、1960年代中期頃までで録音から退いてゆくようになる。それに呼応するかのようにEMIグループを中心に活躍を始め、1970年代には彼等なしでは弦楽トリオという分野は成立しないほどになっていた。3人をベースに他の楽器をゲストに招き多くの小規模室内楽の名演を録音した。この録音は比較的初期の録音で、これまでフランスの団体が録音しなかった分野に新境地を開いた画期的録音となった。
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