[Disques A Charlin] A.ロス・マルバ指揮カタルーニャ室内o. / ハイドン:十字架上のキリストの最後の7つの言葉(管弦楽版)
商品コード: 1279-057
商品詳細:シャルラン自身の手によるスペイン・バルセロナでの録音。「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」は管弦楽作品(1785年)が先にあり、それに1794年、歌詞を付けて誕生、改作したのがオラトリオ版である。実は同じ管弦楽曲から1787年、弦楽四重奏版も作られていて、計3種の同名作品が存在する。ハイドンにとって、よほど重要な作品だったようだ。これはステレオによる初の管弦楽完全版と思われる。何より、音の良さは決定的。カタルーニャ室内o.のとてもふんわりとした優しい弦の音が胸に迫る。管弦楽曲なのに、何故か宗教性を強く感じる!これは確実にアンドレ・シャルラン自身が盟友カール・ド・ニと共にバルセロナまで行って録音した重要な録音である。宗教曲好きのシャルランの真骨頂といってよい、力の入った渾身の力作である。シャルランの本気度がよくわかるシャルランらしい素晴らしい録音の一つ。最初の一音で惹き付けられる超高音質の音楽性の豊かな録音といえる。これを超える管弦楽版の「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」はないと思われる。オケはローカルなスペインの指揮者とカタルーニャ室内o.というはっきり言ってしまえば田舎の誰も知らないようなメンバーなのである。しかし録音技師と盟友のプロデューサーが本気を出せば最高レベルの音楽が生まれるという見本のような録音。敢えて有名な音楽家に頼らず、自身の審美眼を信じて貫き通したことが成功の要因だろう。これはメジャー会社のみを安易に信じてしまう安易で軽薄なリスナーに対するメッセージである。「その道のプロの仕事はこうだ」--のような職人の魂の叫びが聴こえてくる仕事である。そのシャルランもあまりに利益度外視でレコード製作を続けた為、10年も経たないうちに資金に行き詰まり、財産を取り上げられてしまった。大企業で力を加減して長生きする方法もある。何事もバランスが重要であるという録音である。
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