[Disques A Charlin] F.グッリ(vn) A.チェッカート指揮ミラノ・アンジェリクム室内o. / ヴィヴァルディ:四季
商品コード: 1279-043
商品詳細:伊ANGELICUMとの共同制作のようだ。独SCHWANNとも同様の関係で多くのモーツァルト宗教作品を出していた。番号から見て、まだアンドレ・シャルラン本人が録音技師として携わっていた頃のものと思われる。イタリア録音の為かややANGELICUM系のソリッドな音質だが、おそらくイタリア盤とは違った音質だろう。ステレオらしいクリアーな響きと、オンマイクの芯のある強い音が特徴。パテプレスで安心のトレース。グッリのソロはいかにもイタリアらしい曇りのない空のようだ。ヴァイオリン奏者のフランコ・グッリ(1926-2001)はイタリア・トリエステ生まれ。タルティーニ音楽院を経てキジアーナ音楽院でアリゴ・セラートにヴァイオリンを学び、ヨーゼフ・シゲティの教えも受けた。第二次世界大戦後はイ・ポメリッジ・ムジカーリやローマ合奏団のメンバーとして演奏活動を行い、1962年にはローマ合奏団のソリストとして初来日を果たしている。 イタリアのミラノ・スカラ座でもソリストとして録音があり、フィレンツェ5月音楽祭でクーベリック、シェルヘン、チェリビダッケ、ロジンスキーらと共演している。シエナ・アカデミア・キジアーナ音楽院の教授も務める。1972年にインディアナ大学の教授となった。東京音楽大学でもマスター・クラスを開講していた。伊ANGELICUMにはパガニーニ:Vn協奏曲5番(初演)、モーツァルト:Vn協奏曲3/4番などの録音がある。この録音ではクレモナの名器・ストラディバリウス「マレシャル・ブルティエ」(フェレンク・ヴォン・ヴェクセイ所有)が使用された。指揮のアルド・チェッカートは1934年ミラノ生まれ。ヴィクトル・デ・ザバータの娘婿である。地元でブルーノ・ベッティネッリらに学び、1958年オランダのラジオ・ウニイ国際アカデミーを経てアルバート・ヴォルフとヴィルヘルム・ヴォン・オッテルローに師事。1962年ベルリン音楽大学の指揮科を終了してキャリアをスタートさせた。1960-63年まで、チェリビダッケのアシスタントとして研鑽。1963年4月ミラノ・アンジェリクム劇場でヴィヴァルデイを演奏してプロデビューを飾った。その後欧州各地で演奏を重ねている。数ある「四季」の中でもソロ、オケともイタリア人によるイタリア・ミラノでの録音。イ・ムジチの底抜けの明るい演奏とはやや異なる北イタリア風味が感じられる演奏である。フランコ・グッリのソロはラテン気質の音ではあるが繊細であり、底抜けの明るさとは幾分異なる僅かな影を纏った音を持っている。独特の美音を武器に旋律を明るく歌わせることを得意とする半面、造形への意思が強く、陰影深い音色表現を持ち、安定した技巧と艶やかな音色を駆使した格調の高い上品な演奏が特徴である。同じイタリアでもローマのイ・ムジチ合奏団とは全く異なるスタイルの「四季」は、面白さとともに音楽の見識を広げてくれる演奏。勿論アンドレ・シャルラン本人によるステレオという空間認識を改めて感じさせ、時代を先取りした「ワン・ポイント録音」が理解される。
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