[DECCA] I.ケルテス指揮ロンドンso. / ドヴォルザーク:交響曲6番Op.60, 序曲「謝肉祭」Op.92
商品コード: 1279-010
商品詳細:ケルテスは、1965年~1968年までロンドンso.の首席指揮者を務めておりドヴォルザークの交響曲については、1962年2月に全集録音がスタート、1965年12月に完結。シリーズ中6番は1965年に録音された。ED2レーベルが初出となる。8番以前はさほどメジャー曲ともいえなかったがケルテスの全曲録音を契機によく聴かれるようになる。ケルテスは1961年のウィーンpo.と新世界交響曲9番で、圧倒的に素晴らしい演奏を見せつけ成功させている。これを機と捉えたDECCA首脳陣がすぐさまケルテスに全曲録音をオファーしたのも充分に頷ける。しかしオケはウィーンpo.ではなく、当時P.モントゥーが首席指揮者(1961-1964)を務めていたロンドンso.。いかなDECCAでもウィーンpo.をそこまで独占できずやむを得ない選択だったと思われる。然もP.モントゥーは頻繁に米国を往来していて忙しい。ましてスラヴ作品であるドヴォルザーク全集録音を請け負うはずもなかった。結果ケルテス/ロンドンso.との全集録音という一大プロジェクトが始まった。時は1962年、DECCAのステレオ録音は安定期に入り量産体制も整い、誰もがステレオLPを購入できる時期になったばかり。DECCAとしてはこのプロジェクトに大いに期待をかけたはずである。ケルテスはロンドンso.をうまく掌握し、P.モントゥーでは不可能だったスラブ系交響曲の全集を完成させた。この全集はその後30年以上ドヴォルザーク録音のベストセラーを記録し、今以って不動の人気を保っている。全集録音途上である1965年、ケルテスはついにロンドンso.のシェフの座に付いた。モントゥーが1964年7月に亡くなったことによる。誰の目にも妥当な就任であった。これだけ高音質なドヴォルザークのシリーズは他に見当たらない。それだけでなく、ロンドンso.を振って普遍的なドヴォルザーク交響曲のスタイルを打ち立てた。いわゆる完全なスラヴ的な録音はこの録音以降主役の座から落ちてしまい、Supraphonではステレオによる全集録音は長年録音する指揮者が現れなかった。この当たり前のように良しとされていたドヴォルザークも本物ということだ。造形はすっきりとしているが、どこかに忘郷を感じさせる情感がある。ケルテスはハンガリー人であり、スラヴの感覚を理解できる指揮者であったことも幸いしているだろう。
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