[DECCA] A.カンポーリ(vn) G.マルコム(pf) / ドホナーニ(クライスラー編):ハンガリー牧歌Op.32c, パガニーニ:奇想曲13, 20番, ラ・カンパネラ(クライスラー編)
商品コード: 1279-003
商品詳細:カンポーリは、10"に何点か珍しい録音を残している。DECCA社初期のスタープレーヤーで、正直言って、ライバルだったHMV社の弦楽奏者と比べると、DECCAは恵まれていた。特に、ドホナーニの「ハンガリー牧歌」は、7曲よりなる同名のピアノ曲Op.32aからの編曲で、管弦楽用もある。カンポーリは、折り目正しい英国紳士的なスタイルだが、大変優れた技巧の持ち主。しかし、それを表に出さず、あくまで曲の為にそれを用いる。さらに、格調の高さを兼ね備えたヴィルトーゾ! アルフレード・カンポーリ(1906 - 1991)は、イタリア・ローマ出身のヴァイオリニスト。 サンタ・チェチーリア国立アカデミアのヴァイオリン教師だった父から幼少時よりヴァイオリンを学ぶ。 1911年にロンドンに移住し、1919年にロンドン音楽祭のヴァイオリン・コンクールで優勝した。 1923年にウィグモア・ホールでデビューを飾り、ネリー・メルバやクララ・バットといった往年の名歌手たちの演奏旅行に随行した。 1930年代には、自らサロン・オーケストラを結成し、レコーディングや放送等を通じて名声を高めた。 第二次世界大戦後は1953年にカーネギー・ホールでアメリカ・デビューを果たし、1956年にはロシアを訪問している。 1955年にはアーサー・ブリスのヴァイオリン協奏曲を初演した。 1986年に引退。ブリッジの名手としても知られた。カンポーリのスタイルはメロディックなフレージングと技巧的な見せ場を作るベル・カント・ヴァイオリン唱法と呼ばれる独自のものを確立した。当時欧州、特に英国では絶大な人気を誇ったヴァイオリン奏者であった。比類のないテクニックと全ての聴衆が彼を慕う理由でもあるポピュラー・タッチを持つヴァイオリン奏者である。今聴いても惚れ惚れするフレージングで聴くものを魅了する力を秘めた録音である。カンポーリが活躍した時代にはアカデミズムを基本とした演奏法はまだ時期尚早であり、サロン風味が濃厚な演奏が絶対条件であった。しかしこの録音を聴く限り、今の聴衆にも十分に受け入れられ、更には憧れの対象ともなり得る演奏である点を指摘したい。古い録音には必ず演奏史を考慮することが重要である。なおカンポーリをカンポリとするケースもあるが誤りではない。当社では従来の通りカンポーリで統一する。また「ラ・カンパネラ」はニコロ・パガニーニのヴァイオリン協奏曲第2番第3楽章のロンド『ラ・カンパネラ』のことである。リストは「ラ・カンパネラ」を4手のピアノ用に編曲している。クライスラーはヴァイオリンとピアノ用に編曲している。ヴァイオリンとピアノで演奏される「ラ・カンパネラ」は編曲者名がなくともクライスラー編曲版であることが普通になっている。「ラ・カンパネラ」は英語読みでクライスラー編曲版では「ラ・カンパネラ」と表記。「ラ・カンパネッラ」はイタリア語読みでパガニーニ原曲に関する際の表記であることが正しいが、現実にはしっかり区分けされず全て「ラ・カンパネラ」での表記が一般化している。
カンポーリの在庫一覧へ