[COLUMBIA] M.グレイ(s) E.コーエン指揮o. / カントルーブ:オーヴェルニュの歌(抜粋)
商品コード: 1280-003
商品詳細:歌手・マドレーヌ・グレイ(Madeleine Grey・ 1896-1979)は、ユダヤ系のフランス・ ペイ・ド・ラ・ロワール生まれの声楽家。通常はソプラノ歌手に分類されるが、メゾ・ソプラノの声域にもレパートリーを持っていた。本名はマドレーヌ・ナタリー・グリュンベール(Madeleine Nathalie Grumberg)といった。パリ音楽院に入学してピアノをアルフレッド・コルトーに、声楽をアメデー=ルイ・エティックに師事。間もなく声楽家としての比類ない力量が認められ、1919年にはパドルー管弦楽団と共演してパリにデビューした。この最初の公演には、ガブリエル・フォーレとモーリス・ラヴェルが出席しており、やがて両者とも自作の演奏会で彼女に密に協力するようになった。例えばフォーレは、連作歌曲集《幻影(フランス語: Mirages)》の初演(1919年12月)に、ラヴェルは1920年に管弦楽伴奏版の《2つのヘブライの唄(フランス語: Deux mélodies hébraïques)》および1926年の《マダガスカル島民の唄(フランス語: Chansons madécasses)》の初演にグレイを抜擢している。ラヴェルは、指揮者のエルネスト・アンセルメに彼女の推薦状を書き送った際に、グレイの声について初期の評価を書き留めている。曰く、「彼女はとりわけ秀でた演奏家です。魅力的で、なかなか力強く、とても澄んだ声。しかも、まさに注目すべきは、完璧な発声法です。彼女のお蔭で、拙作の《シェエラザード》は、交響詩とは別の代物として聴衆に聴いてもらうことができたのです。このような見方は、彼女が遺した録音に基づく現代の批評においても裏付けられ、例えば「彼女の声は力強く明晰で、発声は優秀、解釈は個性的で知的である」と論じられている。ジョゼフ・カントルーブから歌曲集《オーヴェルニュの歌》を献呈され、1926年にその初演を行って大成功の評判を得た。抜粋だが「オーヴェルニュの歌」を録音した最初の声楽家である。1932年には、ラヴェルの監修のもとに《マダガスカル島民の歌》と《2つのヘブライの歌》を録音した。これらは、演奏に寄せる作曲者の意向を反映させた実例として、独自の価値を持っている。この10"LPこそ、その最初の録音である。「オーヴェルニュの歌」といえばVANGUARDのネタニア・ダヴラツ(Netania Davrath)が有名だが、ダヴラツは初の全曲録音を行った歌手であり初録音ではない。これが本当の初録音の10"。献呈を受けた本人による歴史的録音で音質も非常に良い。オーヴェルニュ地域圏は、フランスの中南部、中央山塊に位置する、かつて存在した地域圏である。フランスの中央高地に相当する地方である。四方を陸に囲まれており、ローヌ=アルプ地域圏、ブルゴーニュ地域圏、サントル=ヴァル・ド・ロワール地域圏、リムーザン地域圏、ミディ=ピレネー地域圏などを含む山岳地域でミネラルウォーター『ボルヴィック(Volvic)』の産地も含まれる。
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