[DGG] F.フリッチャイ指揮ベルリンpo. 聖ヘトヴィヒ大聖堂聖歌隊. I.ゼーフリート(s) 他/ ベートーヴェン:交響曲9番Op.125「合唱」, 序曲「エグモント」,「 レオノーレ3番」
商品コード: 1282-054p
商品詳細:赤い布張の箱。第九は数あるが、これも極めて高水準で、大陸的な雄大な演奏。テンポもゆっくりだ。歌手陣も一流どころが揃う。音質もDGGらしく、音楽性の高さを失わない節度のあるステレオ音。この布張箱自体だけでも存在感を主張している。2枚ともフラット盤が初出だが殆ど見ない。1枚がフラットでも、もう1枚はGGというケースも多い。一連のベートーヴェンの中でもステレオ最初期の録音。音質だけでなく、極めて完成度も高い第九!フリッチャイがDGGに残したベートーヴェンは曲順に1・3・5・7・8・9番の6曲が全てで全曲録音できなかった・時期は1953年1月~1961年9月までと広範囲の時期で最初から全曲録音は考えていなかったと思われる。特に第1番 / 第8番はモノラル録音である。場所もベルリンとミュンヘンに分かれる。9番の録音は病の兆候が現れた1957/1958年でモノラル/ステレオで録音され、初期ステレオ盤はフラット盤でステレオ最初期の最も音質が良かった時期と重なりDGGの第9では最高傑作に数えられる。ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウを起用しているが、ディースカウは殆ど第9の録音はなく、これが唯一の第九録音といえる(ライブを除く)。またこの「第9」がフリッチャイ/ベルリン・フィルによる初のステレオ録音であったという事実も重要である。録音当時43歳であり病気の兆候が演奏に影響していない最後の時期の録音だけに、当録音は返す返すも貴重であると言わざるを得ない。病気のため48歳の若さで他界してしまったフェレンツ・フリッチャイ(1914-1963)は今もって高い評価を失っていない数少ない指揮者。なおフリッチャイとベルリン・フィルが録音を行った1957年12月28日の直前に、EMIレーベルではクリュイタンスが同じ曲を同じ合唱団で録音していた(1957年12月10-17日)事実は見過ごされがちである。録音場所はイエス・キリスト教会とグリューネヴァルト教会で異なるものの、これだけ近接して同じ曲を録音するのは運命的な何かを感じる。ベルリン・フィルの音の傾向は同じだが指揮者とレーベルによりこれだけ大きく演奏が異なる点は不思議の一つとして記録されるべきだろう。
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