[RCA] E.ファレル(s) C.ミュンシュ指揮ボストンso. / ワーグナー:ブリュンヒルデの自己犠牲, 前奏曲と愛の死
商品コード: 1283-052t
商品詳細:ミュンシュ/ボストンso.は1957年にワーグナーを集中的に録音しており、LPで2枚分を録音したと思われる。ミュンシュとワーグナーはイメージが湧かないが、かつてはゲヴァントハウス管のコンサート・マスターでの経験がある。同オケはライプツィヒ国立歌劇場のオーケストラでもあることからワーグナーとの接点がないわけではないだろう。「ブリュンヒルデの自己犠牲」は フラグスタート / フルトヴェングラー、トローベル / トスカニーニなどの独壇場であったが、米国ではトスカニーニ以降取り上げることが減っていったらしい。歌手と指揮者の大いなる共演である。ミュンシュは、当時欧州ではさほど有名ではなかったアイリーン・ファレル(1920 - 2002)という米国生まれのソプラノ歌手を起用。ファレルは1940年にコロムビア放送にコーラス要員として参加したが、数カ月後には30分のラジオ番組を任されてオペラのアリアからポピュラー・ソングまで幅広く歌うようになり、マーガレット・ハーショウやフランク・シナトラらとも共演を重ねた。1950年にはアルトゥーロ・トスカニーニによるNBCでのベートーヴェンの第九のスタジオ録音のソプラノ歌手に起用された。1956年にフロリダ州タンパのサン・カルロ劇場でマスカーニの《カヴァレリア・ルスティカーナ》でサントゥッツァ役を歌ってオペラ・デビューを果たし、その後シカゴ・リリック・オペラやサンフランシスコ・オペラを経て1960年にグルックの《アルチェステ》のタイトルロールでメトロポリタン歌劇場に出演した。1960年代はレナード・バーンスタインの指揮するニューヨーク・フィルハーモニックと多数共演したほか、トーマス・シッパーズやユージン・オーマンディにも起用された。ミュンシュンの情熱的ではあるがドイツ風は求めず、あくまで自身の美学で展開するワーグナーは米国人には好ましく映ったに違いない。ポピュラーソングも歌うアイリーン・ファレルのソロとの相性も米国的であり、型にはまらないワーグナー像はRCAの求めた理想的なモノだったと推測できる。
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