[Le Kiosque d'Orphée] C.ジャケ(pf) / チャイコフスキー:子供のアルバムOp.39~7曲, シューマン:子供のためのアルバムOp.68~6曲, プロコフィエフ:子供の音楽Op.65~6曲 他
商品コード: 1283-037
商品詳細:「若者の為のアルバム」と題された子供を素材としたロマン派以降の4作品。ピアニストのシャンタル・ジャケに関しては一昔前は一切の情報がなかったが、近年になってパリ音楽院の方面から情報が見付かったので御紹介したい。恐らく本邦初公開となる詳細情報になると思われる。シャンタル・ジャケ(Chantal Jacquet)は1946年フランス生まれの女性ピアニスト。フランス中部のブールジュに生を受けると地元ブールジュ国立音楽院の初等科で学び、14歳の時には文化大臣メダルを授与される。15歳でパリ音楽院に入学すると何故か打楽器科に所属(卒業論文も打楽器について)したが、同時にモニク・アースからピアノを師事していた。19歳からはA.v.バレンツェン、M.ブルショルリと、またしても凄い実力者たちから指導を受けており、フランスの女性ピアニストの正統たる系譜を脈々と受け継いでいく。卒業後はジャン=フランソワ・パイヤール、ピエール・ブートリー、ピエール・ブーレーズなど当時を代表する指揮者と共演すると共に、幾つかの国際コンクールでも優勝したらしい。また、教育功労章を二度受賞するなど指導者としての功績も多い。録音として確認出来ているのは「若者の為のアルバム」(当盤)、リストのPf編曲によるバッハOrg曲集、ピアノ小品集(ベートーヴェン、リスト、ドビュッシー)の3枚のみ。しかし、いずれも詳細は不明で、恐らくメジャーで流通した録音ではないと思われる。当盤も、どの様な経緯で録音されたのか全くもって不明な一枚だが、内容は抜群。いかに実力があっても職業音楽家として、とくにレコード文化において成功できた人は一握りである事を考えさせられる。ジャケット写真の表情の様に、硬質で芯のある明快なピアニズムを持ち、華やかで明瞭な音に耳を奪われる。無名で終わるには惜しいピアニスト。ピアノ好きの多い当社のお客様ならきっと注目していただける内容と確信する。販売したのは殆どプライベート・レーベルに近い、超マイナー・レーベルの『Le Kiosque d'Orphée』(現在は閉業)。レーベルというよりは自費出版を請け負う出版社に近い企業だったのではと思われる。1950年代後半頃にジョルジュ・バタールによって設立され1970年代までにフォーク、伝統音楽、ポップス等、多種多様なジャンルをリリースしながら、クラシックにおいては前衛作品や実験作品を中心に、非常に小規模な版でリリースしていた。レコード文化の裾野が広いフランスらしいレーベルと言える。
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