[Le Club Français Du Disque] ザールQt.(K.シュルップ, H.ビュンテ(vn) I.ビュンテ・ラデッケ(va) R.ドミッシュ(vc)) / モーツァルト:4つミラノ四重奏曲/追加K.210~213(偽作)
商品コード: 1284-025p
商品詳細:このミラノ四重奏K.Anh.210-3は、現代ではK.Anh.C2030が示す通り、偽作として扱われている。しかし、当時、1950-60年代はモーツァルトの作品の一部であり、真相は後に誰か学者が決めてくれれば良しという風潮があったのは確かだろう。作曲年は1773年。K.158-173あたりの名曲を立て続けに書いた年であり、比較すれば精彩に欠ける。それでも、この団体のみずみずしい弦の音を聴いたならば、これはこれで充分存在価値を見出すだろう。第一級の団体だ。ザール弦楽四重奏団は名前が示す通りカール・リステンパルト率いるザール室内管弦楽団のメンバーによる団体で第1Vn:カール・シュルップ、第2Vn:ハンス・ビュンテ、Va:インゲ・ビュンテ・ラデッケ、Vc:ロルフ・ドミッシュである。全員ザール室内管弦楽団の主要メンバーである。恐らくリーダーであるカール・リステンパルトとともにベルリンから移住してきた古参メンバーと思われる。ザール弦楽四重奏団は常設団として然程活動は多くなかったと思われる。仕事が来た時だけ編成に応じてザールコレギウム・ムジクムやザール弦楽四重奏団と素早く形を変えたザール室内管弦楽団といえる。ザール弦楽四重奏団としての録音は然程無いのが実情。Le Club Français Du Disqueではシェッファー弦楽四重奏団が看板団体であり、彼らに優先権があったと思われる。シェッファー弦楽四重奏団は、ベートーヴェンの主要録音とモーツァルトのハイドン・セットがあり、レーベルとしてモーツァルトの全曲録音は考えていなかったと思われる。その中で偽作扱いのミラノ四重奏曲だけがザール弦楽四重奏団に回ってきたようだ。演奏は正にザール室内管弦楽団と同質であり、爽やかで爽快感の吹き抜ける見事な内容。この演奏を聴けばバルヒェットQt.も重たくもたついて感じることだろう。ミラノ四重奏曲ではトップランクとして間違いないだろう。ミラノ四重奏曲について、近年ではミラノ四重奏曲とは真作四重奏曲の2番~7番(K.155~K.160)までの6曲を指すようで、偽作のミラノ四重奏曲と混同されがちなので注意が必要。これはハイドン・セットなどのように製作時期・環境などから分けられる区分で、現在では完全な疑作として録音されることも殆どない為、混同はないとの判断から始まったと思われる。この録音当時はK.V.suppl.***の作品番号が付いており、既に追加番号扱いだったことが窺われるが、完全な疑作としてモーツァルト作品から排除される以前であったと思われる。
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