[COLUMBIA] D.オイストラフ(vn) L.オボーリン(pf) S.クヌシェヴィツキー(vc) M.サージェント指揮フィルハーモニアo. / ベートーヴェン:三重協奏曲Op.56
商品コード: 1284-005
商品詳細:オイストラフ参加のベートーヴェン:三重協奏曲といえば殆どの方が1969年にベルリンで録音されたカラヤンのDGG盤を連想されるに違いない。ロストロポーヴィチ、リヒテルがVc、Pf だった。これは10年以上前のEMI録音だがあまり知られていない。但しこの旧録音のソリスト3人は旧ソ連で「オイストラフ・トリオ」として活躍したオイストラフ/クヌシェヴィツキー/オボーリンの共演であり、いたずらにロシア人3人を選んだわけではない。大胆なカラヤン盤に対し、こちらは3人の室内楽チームが室内楽的なアンサンブルのソロを披露した調和重視の演奏となっている。オケはいかなカラヤンでも1958年のフィルハーモニアo.には敵わない格調の高さがある。ソリストたちもその格調に合わせた演奏をしていると考えると両者の違いは歴然であり、納得がいくものである。元気の良いロシア人もロンドンのStudio, Abbey Roadでは空気を読んで共演者との一体感を優先している。指揮者/オケが英国だと途端にこのような落ち着いた雰囲気の音楽になるから不思議なものである。しかし、ソロではこの古い世代の3人は貫録タップリの重厚感ある音をそれぞれ出していて、トータルで重心の低い男性的な演奏となっている。三重協奏曲はベート―ヴェンの中では決してメジャ―作品とは言えないが、三者三様のソロが折り重なる他では見られない特徴があり、それぞれの音を楽しめる、やや複雑さを秘めた曲である。古き良き大人のスタイルで演奏されたこの協奏曲を楽しめる良い録音であると思う。ステレオも同時に10"で発売されたが、1959年という時期はモノラルの完成期である。まず失敗がなく、安価なモノラルをお勧めしたい。なお、ロシア勢の出稼ぎも3人纏まると、音楽の融合にまで感じてしまう。
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