[ASTRÉE] B.ヴェルレ(cemb) / ルイ・マルシャン:クラヴサン曲集第1巻, クラヴサン曲集第2巻
商品コード: 1285-053
商品詳細:あまり録音されない、マルシャンのクラヴサン曲集。他にSimaxに1枚あっただけと思う。F.クープランとは生没年ともに1年違うだけだが、曲趣はかなり異なる。非常に流麗でL.クープランに近い。高域寄りでキンキンした音だが、チェンバロ固有なのだろうか。残響が少なめで直接音が多い。プレス(英デッカ)の所為かと思い、英デッカ、フィリップス両方のプレスがあるAS 1で聴き比べた。確かに違いは無視できないが、このAS 41で他のプレスの存在は確認できない。ルイ・マルシャン(1669- 1732)はリヨン生まれのフランス・バロック音楽の作曲家、鍵盤楽器奏者。リュリの没年にパリに住み、ラモーの「イポリートとアリシー」の初演の前年に亡くなった。パリのサン=ジャック教会のオルガニストに就任し、その後も数多くの教会のオルガン奏者として働いた。マルシャンは、音楽的にも気質的にも炎のように激しいところがあり、リヨンからパリに出て、たちどころに大成功を収めた。気難しく、性格的に当てにならないところがあったが、それでも多くの人々に「偉大なるマルシャン"Marchand le Grand"」として知られていた。たくさんの作品を作曲するも、出版されたのは、若干の歌曲、カンタータと2つのクラヴサン組曲しかなく、それがあまり有名でない原因となっている。バッハと同時代に生きたルイ・マルシャンは、ドレスデンに同時期に滞在しており、バッハとの演奏対戦の話を持ちかけられたが実現していない。フランスVALOISの古楽研究部門として創設されたASTRÉEはドイツのARCHIVのような役割を果たし、これまで存在すら知られていないフランス・バロック期に活躍した作曲家の作品を次々と録音していった。VALOIS時代から看板チェンバロ奏者であったブランディーヌ・ヴェルレはASTRÉEでもF.クープランのチェンバロ作品を13枚のLPに録音するなど活躍した。中でもルイ・マルシャンのような作品を録音した功績は大きい。この1枚によりバッバの時代にフランスでも活躍した作曲家が居たことが明らかになった。例によってヴェルレの演奏は活き活きと躍動感に満ちており、当時の雰囲気を再現してくれるようである。
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