[SUPRAPHON] V.ターリヒ指揮チェコpo. / ドヴォルザーク:交響曲9番Op.95「新世界より」
商品コード: 1287-064t
商品詳細:この曲の原点的録音。ジャケットのバージョンも複数ある。1949年の古い録音とは信じがたい、圧巻の音質。ステレオと比較しても見劣りしないどころかモノラルの凄みを改めて感じる偉大な録音。これが本家本元の演奏であり、頂点に君臨する名演であることに揺らぎはない。指揮者ターリヒが消えて、ドヴォルザークその人が浮かんでくる演奏だ。ドヴォルザークが新世界に込めた思いが素直に伝わってくる自然な迫力。この名演の存在があまりに大きかったため、チェコでは以後1961年のアンチェルまで誰も「新世界より」を録音しなかった。アンチェルは初のステレオ録音という点で初めてこの曲の録音を行うことができたのである。同じ土俵でこの演奏に勝るモノラル録音はどこにもない。尚作品について、ドヴォルザークは1892年、ニューヨークにあるナショナル・コンサーヴァトリー・オブ・ミュージック・オブ・アメリカ(ナショナル音楽院)の院長に招かれ、1895年4月までその職にあった。この3年間の在米中に、彼の後期の重要な作品が少なからず書かれている。作品95から106までがそれである。日本においてはベートーヴェンの交響曲第5番『運命』、シューベルトの交響曲第7(8)番『未完成』と並んで「3大交響曲」と呼ばれることもある。『新世界より』という副題は、新世界アメリカから故郷ボヘミアへ向けてのメッセージ、といった意味がある。全般的にはボヘミアの音楽の語法により、これをブラームスの作品の研究や第7・第8交響曲の作曲によって培われた西欧式の古典的交響曲のスタイルに昇華させている。アメリカの黒人の音楽が故郷ボヘミアの音楽に似ていることに刺激を受け、「新世界から」故郷ボヘミアへ向けて作られた作品だと言われている。初演は1893年12月16日、ニューヨークのカーネギー・ホールにて、アントン・ザイドル指揮、ニューヨーク・フィルハーモニック協会管弦楽団による。初演は大成功だったと伝えられている。日本初演は1920年12月29日、東京の帝国劇場において、山田耕筰指揮、日本楽劇協会によって行われた。ドヴォルザークがアメリカ行きを決意しなければ生まれなかった曲であり、「新世界より」が無いドヴォルザークに果たして作曲家としての地位があったか疑問である。世界は繋がっている。そう実感させられる名曲である。
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