[Ducretet Thomson] A.フェルバー(pf) / ドビュッシー:前奏曲集(全曲)
商品コード: 1287-003
商品詳細:アルベルト・フェルバー(1911- 1987)はピアノ好きの方ならご存じだろう。スイス・ルツェルン生まれ。ルツェルンはドイツ語圏なのでアルベール・フェルベールではなく本来はアルベルト・フェルバーとなるが、フランスにいた間はDucretet Thomsonで活躍したので当然とアルベール・フェルベールと名乗っていたと思われる。彼は1960年代の英国に移住しSAGAなどの英国レーベルに録音を行っており、当然アルーベルツ・フェーバーになったはずである。移住の度に呼び方が変わる欧米は厄介である。アルベルト・フェルバー、アルベール・フェルベール、アルーベルツ・フェーバーどれもその時々で正しいが統一が重要なので当社では出生国の呼び方であるアルベルト・フェルバーで統一する。フェルバーはスイスでK.ライマーに学び、ザールでヴァルター・ギーゼキングに師事した。フランスでマルグリット・ロンの薫陶を受けた。セルゲイ・ラフマニノフのスイス滞在時に、ラフマニノフから助言をもらっている。1939年にはロンドンに渡り、ジェームズ・チンのピアノ学校で助手をしながら演奏活動を行うようになった。映画音楽方面でも仕事をし、アルバート・バル=スミス監督の"The Hangman Waits"や"Death in the Hand"等では音楽を担当し、ブライアン・デズモンド・ハースト監督の"The Mark of Cain"ではピアニスト役として出演した。1940年代には盛んに英国の指揮者やオケと共演。SP録音もある。LPでは1951年頃英DECCAの10"(LM 4544・シューマン:子供の情景Op.15/メンデルスゾーン:無言歌(6曲))に初めての録音を行った。その後Ducretet Thomsonに移籍し、ドビュッシー全集等の録音を残す。1957年頃までDucretet Thomsonに録音があった。1959年頃英SAGAに移籍。どうやら英国に移住したらしい。今となってはどれもお宝級のLPとなっている。前奏曲全集はシリーズ最初の1953年6月にパリでモノラル録音されて、LA ***で始まる初期番号で10"×2枚入りのアルバムで発売された。再版がないようで知る人ぞ知る録音。これまで聴いたどのドビュッシーより力の抜けた自然体であるとともに明瞭である。それでいてピアノの音には程よい倍音があり、一音で聴く人を魅了する力も持ったピアニスト。雰囲気で聴かせるタイプではなく、強烈なアタック音使い、ダイナミックで生命感溢れるスーパーピアニズムの持ち主。ティッサン・ヴァランタンのフォーレのようにドビュッシーでは他を寄せ付けない圧倒的な演奏をするも忘れられたピアニストである。古いプレスなのでこれまで盤質7以上の物は一度も入荷がなく、多少のノイズを受け入れて聴いていただくしかない。しかしキズの苦痛を忘れる程の幸福感を与えれくれる演奏であると断言できる。なおネットなどではアルベール・フェルベールとされることが多いので注意!
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