[COLUMBIA] C.ローゼン(pf) / ストラヴィンスキー:セレナーデ, Pfソナタ, シェーンベルク:組曲Op.25, ピアノ曲Op.33a, Op.33b
商品コード: 1289-049
商品詳細:チャールズ・ローゼン(1927-2012)ューヨーク市の生まれ。ジュリアード音楽院に進学するも、中退してフランツ・リストの高弟だったモリッツ・ローゼンタールの教えを受けた。また、名手ヨーゼフ・ホフマンから最も大きな影響を受けたというヴィルトゥオーゾ・スタイルのピアノを習得したピアニストである。ゴドフスキーやローゼンタール、タウジヒなどの編曲ものを取り上げるあたりにもそうした趣向が表れている。ローゼンは1951年にプリンストン大学でフランス文学の博士号を取得し、ニューヨーク州立大学、オクスフォード大学、ハーバード大学、シカゴ大学、マサチューセッツ工科大学等でフランス語を教える傍らピアニストとしての活動を継続した。 エリオット・カーターの作品の擁護者でもあり、1980年にはカーターから「ナイト・ファンタジー」を献呈されている。しかしローゼンの演奏そのものは、楽譜情報を重視する客観的なもので、バッハのゴルトベルク変奏曲やフーガの技法などでは、対位法的情報処理の鮮やかさや装飾への配慮を印象付る見事なバランスの演奏を聴かせており、ベートーヴェンやリスト、ショパンと言った作品でも、それぞれのスタイルにふさわしい音楽に仕上げる優等生タイプ。バッハ弾きでありながら近現代曲を得意とするピアニストである。これらは1960年頃の米国録音で欧州では各国COLUMBIAから発売された。1960年代当時ストラヴィンスキーやシェ―ンベルクのピアノ作品はさほど演奏されておらず、この録音が一つの見本となったことだろう。著述家、音楽学者としても大きな活動を見せたローゼンの演奏はこれら作品の第一人者だったはずである。ローゼンはこれまでに『シェーンベルク』、『ソナタ諸形式』、『ピアノ・ノート』、『ベートーヴェンを“読む"』、『音楽と感情』、『古典派音楽の様式』など多岐に渡る音楽書籍を上梓している文学の博士号を持つ学者である。同時にピアニストとして演奏活動も行う、多方面に才能を発揮する天才型の人格であった。1978年には「ディアベリ変奏曲」を録音し、グラミー賞にノミネートされている。文芸方面でも、1974年にはアメリカ芸術文学アカデミーの会員に任命された。研究者、演奏者としてのキャリアを見事に両立させた、驚くべき生涯である。博学な天才が演奏した事実に触れること自体に意義を感じる。曲の好みもあるだろうが、稀代の研究者・演奏家の生涯に触れる一端として、このLPは代表作である。
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