[COLUMBIA] A.クリュイタンス指揮パリ国立歌劇場o. / ワーグナー:序曲集
商品コード: 1289-040
商品詳細:同じ仏SAXFでも、100番台は特別にカッティングレベルが高く、見た目にもミゾがノコギリ状になっているのが解かる。ペラジャケ入り、ステレオシール付きのごく少数しかプレスされなかったタイプ。このタイプは英SAXより圧倒的に少ない。またSAXよりも音はクリアーでSAXFらしい良さが際立つ。この音で聴くクリュイタンスにはもう何も言うことはない。身を任せるのみ。快楽という言葉がぴったりくる。この後棒付きジャケでSAXF 831という番号で出し直される。クリュイタンスのステレオ録音は長年首席指揮者を務めたパリ音楽院o.を振るのが通例だが、このワーグナーでは何故かあまり振った事のないパリ・オペラ座o.、現在ではパリ国立歌劇場o.と名前を変えた、観光客で賑わう、オペラ・ガルニエと呼ばれるオペラ座の付属オーケストラである。VEGAのロザンタール指揮のラヴェルの管弦楽曲もこのオケで録音された。オペラ専門のオケだけにワーグナーのような作品はパリ音楽院o.より得意としたと考えるべきだろう。大スケールで轟音を必要とさせる曲にはめっぽう強そうなオケである。その効果もあってか、かなり大胆でエネルギー感の強い演奏を聴くことができる。しかしフランスのオケだけにどこかに品の良さがついて回るような印象を受けた。ロザンタール指揮のラヴェルはもっと素朴で熱い印象も受けたのだが、ここでは端正で品を失わない格調高い音を出している。クリュイタンスが振るからだろう。僅かに感じる難といえばテンポが緩く、起伏の展開が俊敏とはいかない点が挙げられる。しかしスケール感、優美さでその点はお釣りがくるほど良い。流石のベートヴェンをあれだけ格調高く仕上げた指揮者である。このワーグナーはクリュイタンス流と捉えればそれはそれで納得がゆくのである。プレスとしてもスーパーなステレオ・オーディオファイルLP!
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