[MELODIYA] E.ノヴィツカヤ(pf) / ベートーヴェン:創作主題による32の変奏曲 ハ短調 WoO.80, ブラームス:Pfソナタ3番Op.5
商品コード: 1293-064dm
商品詳細:エカテリーナ・ノヴィツカヤ(1951-)はモスクワ出身の女性ピアニスト。師L.オボーリンをも脱帽させた女性で、L.オボーリンに8年間師事したイグムノフ一派。1968年弱冠16歳にして、ベルギーのエリザベート王妃国際音楽コンクールで優勝(2007年にアンナ・ヴィニツカヤが受賞するまでは、女性初、唯一のピアノ部門の第1位)を獲得した。同コンクールでは日本の内田光子も10位入賞している。コンクールの記念録音はベルギーMELODIYA:OC 2161(ムソルグスキー:展覧会の絵,ハイドン:Pfソナタ32番,プロコフィエフ:風刺(サルカズム)Op.17)が1959年に発売され、それがノヴィツカヤの公式デビュー録音である。これはノヴィツカヤが帰国して旧ソ連MELODIYAで初めての録音となった。プロコフィエフ作品集は終始陶酔的な技巧が炸裂する驚愕の演奏ばかりである。普段敬遠されがちなプロコフィエフ作品も彼女の手に掛かると、完璧な完成度で立体的に展開する奇跡の演奏である。エカテリーナ・ノヴィツカヤが出場した1968年開催では、1位を16歳の少女が満場一致で受賞したと伝えられている。天才少女として知られる彼女は、孤児院出身だったが幼少時に音楽の才能を見出され専門教育を受ける機会を得た。風刺(サルカズム)Op.17はそのコンクール優勝記念録音のベルギー盤でも演奏した曲。コンクール関連で知り合ったベルギー人の若手ピアニスト、フランソワ・エマニュエル・エルヴィと結婚し、5人の子供を持つ家庭を築いた。以来、ベルギーに住んでおり、ほとんど演奏をすることはなくなった。結婚後、国際的な演奏活動を停止して普通の主婦になったのではと憶測が流れたが突然、1985年3月27日にニューヨークで初めてのリサイタルを開き、モーツァルトのプログラム(幻想曲K.475とソナタ第14番K.457)とショパンのバラード4曲を演奏した。コンクールのあと帰国した彼女には7枚のLPリリースが許可された中の5枚目の録音が当録音である。ベートーヴェンとブラームスというドイツ系作品集。これらの作品では剃刀のようなノヴィツカヤの打鍵が功を奏した演奏。鋭く振り下した刀のようなタッチは正にノヴィツカヤの本領発揮となる作品である。即興のように聴こえて実は考え抜かれた計算の上にバランスしたウルトラC。造形も素晴らしく超絶技巧と作品がうまくリンクしている。一度聴いたら少し脳を休めないと他に何も入ってこない。超打鍵は数を減らして効果的に用いる技を習得しており、敢えて弱い音でも装飾音などで唸らせるコントロールを見せる。コンクール時より格段に構成力が増している。
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