[FY] H.グレミー・ショーリャック(cemb) / パッヘルベル:ヘクサコルドゥム・アポリニス, シャコンヌ(2曲), アリエッタ
商品コード: 1293-056
商品詳細:チェンバロ奏者ユゲット・グレミー・ショーリャック(HuguetteGrémy-Chauliac)は1928年生まれのパリジェンヌ。ピアノをデカーヴとY.ナットに師事。その後チェンバロをBascouret de Gueraldiに師事。チェンバロ奏者として録音デビューした。ヴェイロン・ラクロワの元で研鑽を積んだ。1963年からパリ音楽院でクラウザン科教授として教え、スコット・ロスなどを輩出。教育者と並行してパリのAntiqua Musicaオーケストラ、Paul Kuentzのオーケストラのハープシコード奏者を務めた。現在は数多くの国際大会のコンテストの審査員を務める。録音が無かったり少ない曲に焦点を当て録音している。1971年Disques A Charlinに初録音を行い、その後はFYレーベルに録音がある。クープラン・ファミリーなどのフランス・バロックのクラウザン作品を得意とする。シャルランが認めただけあってショーリャックの音楽性は確かである。ここではパッヘルベルのチェンバロ作品に絞って1枚分を1978年に録音。目の覚めるような輝かしい楽器の響きが怒涛の如く押し寄せる。サブタイトルの「Hexachordum Apollinis」はアポロンのヘクサコードと訳す。ヘクサコードは音楽用語。中世後期とルネサンス期に音楽理論と実習のために用いられた6つの音から成る音階で、ミとファの間が半音であるのが特徴。今でもオクターブに改修された同様の練習法が用いられている。ヘクサコードの両端の音は必ず長6度音程に開いている。アポロンはギリシャ神話で、光明・医術・音楽・予言を司る若く美しい神。ゼウスとレトの子で、女神アルテミスの双子の兄。デルフォイの神殿で下したという託宣は特に名高い。理知的で明るいギリシャ精神を代表する神とされる。ジャケットの「Hexachordum Apollinis 1699」はヨハン・パッヘルベル(1653-1706)が1699年に作曲した「アポロの六弦琴」 (6つのアリアとシャコンヌ:1699)を示している。この作品は6曲のアリアと変奏からなる曲集で、オルガン或いはチェンバロで演奏できると記されており、弟子たちの教育に役立てようという意図があったらしい。各曲は、最初にアリアの主題が奏され、そのあとに変奏が続く構成になっている。アポロンは芸術を司る神であり、その竪琴の弦に、各曲を喩えている。両端に配置された「シャコンヌ」は別の曲だが同じ1699年に合わせて作曲されたらしい。一緒に演奏するのが慣例なのだろうか?或いはショーリャックによるLPとしての構成で、「アポロンの六弦琴」全曲を盛り立てる意図だろうか?尚「アポロンの六弦琴」は全6曲だが第4曲と第5曲の間に単独曲の「アリエッタ ヘ長調」を挿入している。これもLPとしての構成なのだろう。「アポロンの六弦琴」はまず録音されないが名曲である。
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