[PGP RTB] I.ラスコ(pf) / バッハ:6つのパルティータB.825~830(全6曲)
商品コード: 1293-007
商品詳細:ユーゴスラヴィアのレーベルから出ているが、イゴール・ラスコは元々ロシアの人。メロディアに1枚だけ録音がある(2声のインヴェンション全曲)。RTBにはこの後「ゴルドベルク変奏曲」を入れているが、シューベルトもあるらしいので、バッハだけのピアニストではないようだ。もっとも第2回(1964年)のバッハ国際コンクールで3位に入賞しているから、得意としているはずだ。全く奇を衒わない青年のバッハ。一聴して物足りなさを感じるが、繰り返し聴きたくなる不思議。イーゴリ・ラスコ (1949-)は旧ソ連のサンクトペテルブルク(レニングラード)生まれ。6歳のとき、パーヴェル・セレブリャコフとレホヴィツカヤが教授を務めたリムスキー・コルサコフ音楽院の若い音楽家のための特別学校に入学した。セレブリャコフはレニングラード音楽院でニコラーエフの第一弟子でありニコラーエフ一派のロシアンスクール第2世代の卒業生である。フェドロフと同門になる。彼は1957年のソビエト連邦へのツアー中にグレン・グールドの演奏例に深く影響を受け、そこから、そしてグールドの録音から豊富なインスピレーションを得た。1964年ライプツィヒで開催されたバッハ国際音楽コンクール史上最年少の受賞者となり、銅メダルを獲得した。その後間もなく (1965 年)、彼はロシアのMELODIYAレーベルで2 部および 3 部構成のインベンション( BWV 772-786、 BWV 787-801 ) を録音した。その後、彼はモスクワの高等チャイコフスキー音楽院で巨匠ゲンリヒ・ネイガウスの後継者であるヤコフ・ザークのクラスで研鑽を積み、全ての研究の道で一等賞を受賞した。卒業後、彼は有名なロシアの指揮者ユーリ・テミルカーノフに招待され、レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団でピアノ・ソリストとして演奏した。1978 年から 1992 年まで、イーゴリ・ラスコはベオグラード大学の教授を務めた。この「6つのパルティータ」はその時期の録音であり、ソ連を亡命したピアニストではない。同じ時期にゴルトベルク変奏曲(BWV 988)、さらにチャイコフスキーなども旧ユーゴスラビアで録音している。1987年のベオグラード音楽祭のリサイタルはセルビアの作曲家のみで構成され、1989年のリサイタルはムソルグスキー、チャイコフスキー(「季節」作品37/ベオグラードでも録音した)だった。1992 年からパリに拠点を置き国際的に活動を展開した。ニコライ・ルービンシュタイン国際ピアノ・コンクール(1996年に設立)の理事長を務めている。MELODIYAと旧ユーゴスラビアに録音がある珍しいピアニスト。このパルティータは確かにグールドの影響を強く受けた節回しが感じられる。テンポ運びもまたグールドと近いものを感じる。但し全く異なる点は音色である。ラスコのほうが丁寧で綺麗な澄んだ音が出ているように感じる。グールドの影響を受けつつも独自の世界感を確立したピアニスト。当社初入荷の希少タイトル。1980年代発売だが極めて音質が良い。PGP RTBにおけるバッハ生誕300年記念企画!
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