[La Voix De Son Maître] G.スゼー(br) D.ボールドウィン(pf) / 世界の歌(全22曲)/ブラームス, ムソルグスキー, グリーグ, キルピネン, ヴィラ・ロボス, ニン, 他
商品コード: 1294-047
商品詳細:1959年英国でALP 1709で発売された英国録音らしい。但し調べてもASD番号はなく英国ではモノラルのみの発売かもしれない(1970年代に出た可能性はある)。タイトルは直訳すると「多くの国の歌」となり様々な国の民謡を主に収録した形で、作曲家を表記したが、当地の民謡からのその作曲家による編曲も多く含まれるので注意。全22曲もの様々な曲を集めたので「多くの国の歌」というタイトルにしたのだろう。全てダニエル・ボールドウィンのピアノ伴奏で謳われる。通常のクラシック系歌曲集には全く登場しない曲ばかりで曲目表記には相当に手こずった点をご理解いただきたい。バリトン歌手ジェラール・スゼー( 1918– 2004)はフランス・アンジェの生まれ。カミーユ・モラーヌ( 1911 - 2010)と7歳違いだが、モノラル期で引退したモラーヌと異なり、スゼーは長い録音歴を持つ。重鎮ピエール・ベルナック(1899 - 1979)より一世代後のバリトン歌手である。フランス語での、より正確な読み方はジェラール・スゼだが、これまでの慣習に従ってスゼーで統一する。パリ音楽院でクレール・クロワザとジャン=エミール・ヴァンニ=マルクーに師事する。テノールとして歌手活動を始めるが、1943年に著名なオペラ歌手アンリ・エシュヴェリーの助言を容れて、バリトンに転向した。1945年より公的な演奏会に出演を始める。1954年以降は新たにアメリカ人ピアニストのダルトン・ボールドウィンを迎え、生涯にわたる協力関係を築いた。1960年以降はほとんどオペラに出演せず、代わりにリサイタルで活動を続け、1980年代後半に引退した。1944年のSP録音に始まり、1950年代初めにDECCAと契約を結ぶ。その後はPHILIPSやEMIとも契約している。スゼーの録音のディスコグラフィは約750点にものぼる。フォーレやプーランクの歌曲全集の録音にも参加した。栄えあるディスク・グランプリ(Grand Prix du Disque)には3度選ばれており、そのうちの一つがラヴェル歌曲集であった。スゼーはドイツ・リートも歌うが、やはりフランス歌曲が白眉といえる。ドイツ最大のバリトンであるディートリヒ・フィッシャー=ディースカウとは声質、レパートリーなどがまるで異なる。スゼーが亡くなった時、英国紙「デイリー・テレグラフ」は、最も偉大なリリック・バリトンという称号をディートリヒ・フィッシャー=ディースカウと争えるのは、同世代ではスゼーだと述べている。リリックバリトンは、バリトンの中では最も軽めの性質を持ったバリトン。ディースカウはリリック・バリトンとされるが違和感を持つ方は多いだろう。不思議なことにフランス人バリトンはみな甘い声質である。ドイツでは甘い声質のバリトンはヘルマン・プライくらいだろう。それでもスゼーとは比較出来ないほど違いがある。スゼーはこの美声を1970年頃まで保ち、多くの録音を残した。フランス歌曲でステレオ期に唯一聴ける男声歌手ではないだろうか。これはスゼーのLPの中では特段珍しい1枚で、英国にステレオ初期プレスがないのでASDF 242はかなり貴重といえる。勿論当社初入荷のレアLP!スゼーの伸びのある歌声が高音質で楽しめる!
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